部活のお守りを手作りするなら、フェルトを使うのが一番簡単。
100円ショップで、5枚入りで売っています。1枚あれば、キャラクターのマスコットが3〜4個作れます。
1個作るのにかかる時間は、慣れれば30分くらいです。裁縫が苦手でも、★1のモチーフなら今日中に1個できます。
必要な道具は、フェルトとハサミと針と糸だけです。型紙も、この記事の中で一緒に作れます。
それでも、「何を作ればいいのか」で手が止まる人は多いはずです。とくに、部活によって定番のモチーフが違うので、自分の部活だと何を作ればいいのかが一番迷うところだと思います。
この記事では、簡単で可愛いモチーフの選び方、自分の部活だと何を作ればいいか、フェルトマスコットの作り方、部員全員分を大会に間に合わせる段取り、渡し方まで順番にまとめました。
簡単で可愛い!部活お守りのモチーフとキャラクターの選び方
★1から選べる!可愛い×簡単モチーフ早見表
モチーフ選びで一番大事なのは、「これなら自分にも作れそう」と思えるかどうかです。作りやすさ・かかる時間・色数・込められてきた願いを、1つの表にまとめました。
★の数字は、そのまま作業の難しさです。
- ★1は輪郭が単純で色数も少なく、初めてでも失敗しにくいモチーフです。
- ★3は形が細かかったり、パーツの数が多かったりするモチーフになります。
- まず★1の中から1つ選んで、慣れてきたら★2・★3に挑戦する、という順番がおすすめです。
中学生でも高校生でも、選び方は同じです。全員分を短い日数で作るなら、★1だけで表からモチーフを選んでも十分です。時間に余裕があるなら、★2・★3を混ぜて、部員それぞれの好みに合わせるのもいいと思います。
| モチーフ | 作りやすさ | かかる時間の目安 | 色数 | 込められてきた願い【伝承・諸説】 | こんな人に |
|---|---|---|---|---|---|
| まる(ボール型) | ★1 | 20分 | 1〜2色 | 「今取り組んでいるもの」がそのまま応援の形になります | 初めて作る人に |
| だるま | ★1 | 25分 | 2色 | 七転び八起きの験担ぎとして親しまれてきました | 大会前の景気づけに |
| ハート | ★1 | 20分 | 1色 | まっすぐな気持ちを届ける形として選ばれてきました | 気持ちを伝えたい相手に |
| 星 | ★1 | 20分 | 1色 | 「一番になるように」という願いを重ねやすい形です | エースナンバーの子に |
| お守り袋型(五角形) | ★1 | 25分 | 2色 | 「ご(5)かく(角)=合格」の語呂合わせに由来します。角を5つ作るだけなので形自体は単純です | 受験や大事な試合の前に |
| 鈴 | ★1 | 20分 | 1〜2色 | 音で邪気を祓うと言われてきました | シンプルに仕上げたい人に |
| 動物の顔(うさぎ・くま・ねこ・とら) | ★2 | 35分 | 2〜3色 | 干支や縁起物としての言い伝えがあります(伝承・諸説) | 可愛さを重視したい人に |
| ユニフォーム型 | ★2 | 30分 | 2色 | 「その人のためのもの」という気持ちがそのまま伝わります | 個人へのプレゼントに |
| てるてる坊主風 | ★2 | 25分 | 1〜2色 | 晴れを願う気持ちをそのまま形にできます | 屋外の部活に |
| ひょうたん | ★2 | 30分 | 2色 | 末広がりの形から縁起物とされてきました | 引退・卒業のお守りに |
| 四つ葉 | ★2 | 30分 | 2色 | 見つけると幸運と言われてきた形です | お守り以外にも使い回したい人に |
| 人型(部員の似顔絵風) | ★3 | 45分 | 3〜4色 | その人そのものを形にする、一番気持ちがこもるモチーフです | 個人の引退祝いに |
| 楽器・道具の形 | ★3 | 40分 | 2〜3色 | 「今取り組んでいるもの」がそのまま応援の形になります | 吹奏楽・文化部に |
| 勾玉 | ★3 | 35分 | 1色 | 古い護符の系譜という説があります(伝承・諸説) | 落ち着いたデザインが好みの相手に |
| キャラクターのデフォルメ | ★3 | 40分 | 3〜4色 | 部の色とマスコットを重ねると「うちの部だけの意味」が生まれます | オリジナルにこだわりたい人に |
ご利益は、あくまで言い伝えとして紹介されているものです。効果を保証するものではありません。語呂合わせが由来のものは、語呂合わせだとそのまま書いています。
だるまや鈴のように古くから親しまれてきたモチーフも、五角形のように語呂合わせから生まれたモチーフも、同じ表の中に並べて問題ありません。願いの由来より先に、「これなら作れそう」の方を優先して選んでも大丈夫です。
つむぎ所長だるまも鈴も、実は『何を選ぶか』の理屈はお守りとまったく同じなんですよね。
色の組み合わせで一気に可愛くなる(おしゃれに見せる3つのコツ)
「部活お守り おしゃれ」で検索する人が多いのも納得です。同じモチーフでも、色の組み合わせだけで印象が変わります。
- 1つ目は、部のチームカラー+白でまとめることです。ばらばらな色でも、統一感が出ます。
- 2つ目は、くすみカラー(グレージュ・くすみピンク・スモーキーブルー)を1色混ぜることです。子どもっぽくなりません。
- 3つ目は、輪郭に濃い色の糸を使うことです。切り口のガタつきが目立たなくなります。
刺しゅう糸は、100均でも1束につき何色かセットで売られています。部のチームカラーに近い色が無い場合は、いちばん近い色を選んで大丈夫です。差し色は1色だけにとどめると、全体がごちゃつきません。
スマホのホーム画面を思い出してください。アイコンの色をそろえるだけで、中身は同じなのに急に整って見えます。フェルトの配色も、同じ理屈です。色数を欲張らないことが、おしゃれに見せる一番の近道になります。
男子に渡しても浮かないデザイン
女子マネージャーが男子部員に渡す場面は、この記事の読者にとって一番身近なはずです。「男子に渡しても恥ずかしくないやつ」を作りたい人向けに、外すポイントをまとめます。
ピンク・レース・ハートは、いったん外します。
代わりに、ユニフォーム型・ボール型・部の頭文字1文字を主役にします。
色は黒・紺・グレーをベースに、差し色を1色だけ入れると引き締まります。
たとえば野球部なら、白×紺にボールの縫い目を刺しゅうするだけで、それらしく見えます。
バスケ部なら、黒×オレンジでゴールネットの線を1本入れると十分です。飾りを足すより、色数を削るほうが「かっこいい」に近づきます。
サッカー部やバレー部のように、公式のユニフォームカラーがはっきりしている部活は、そのままフェルトの配色に流用できます。迷ったときは、ユニフォームの写真を思い出しながら色を選んでください。
好きなキャラクターをそのまま作ってもいい?
「あのアニメの子と同じ顔にして」と頼まれることもあるはずです。自分たちで持つ分には、そこまで気にしすぎなくて大丈夫。ただ、SNSに載せるときやフリマアプリに出すときは、権利のあるキャラクターだと止められることがあります。渡す相手が部員だけなら、そこまで心配しなくても平気です。
それに、実はオリジナルの方が喜ばれます。部の色とマスコットで作ったものは、「うちの部のもの」になるからです。スポーツブランドのロゴをそのまま写すのは避けたほうが無難です。部の頭文字を同じ雰囲気でデザインしたほうが、
むしろオリジナル感が出ます。組み立て方は、シンプルな3ステップです。
うちの部だけのキャラを作る(色+頭文字+動物の3ステップ)
「うちの部だけのキャラ」は、実は3ステップで組めます。難しいデザインの才能はいりません。
1つ目は、部のチームカラーを1色決めることです。2つ目は、部名か学校名の頭文字を1文字選ぶことです。3つ目は、その文字の形に近い動物を当てることです。Bならくま、Tならねこの耳、Sならへびや白鳥、Yならひよこ、というように選びます。
たとえばバスケ部で部の色が赤なら、赤いフェルトに部の頭文字を乗せたクマになります。テニス部で色が黄緑なら、黄緑のフェルトに頭文字を乗せたウサギになります。組み合わせを変えるだけで、いくらでもバリエーションが作れます。
文化祭のクラスTシャツを思い出してください。既製品のキャラを使うより、クラスの誰かが描いた変な絵の方が、あとで見返すと圧倒的に価値が出ます。うちの部だけのキャラも、同じです。誰かの著作物ではないので、SNSに載せるのも気兼ねがいりません。
型紙も材料も入っているものを調べたところ、部活向けのフェルトキットが何種類か見つかりました。頭文字と動物を自分で組み合わせるのが難しそうなら、こういったキットから選ぶのも手です。
デフォルメの3原則(何を作っても可愛くなる形の作り方)
モチーフが決まったら、フェルトで再現しやすい形に整える原則が3つあります。これを守るだけで、どのモチーフも一気に作りやすくなります。
- 1つ目は、輪郭を閉じた1本の線にすることです。切り抜いた1枚のパーツだけで、そのモチーフだとわかる形にします。耳やしっぽなど、細かい出っ張りは無理につけなくて大丈夫です。
- 2つ目は、色を3〜4色までに抑えることです。重ねるほど布が厚くなり、縫えなくなります。
- 3つ目は、顔のパーツを中央より下に寄せることです。赤ちゃんの顔の比率に近づくほど、可愛く見えます。
スマホのアプリのアイコンも、同じ発想です。
小さくしても何のアプリかわかるのは、線と色を思いきり減らしてあるからです。細かく描き込むほど可愛くなる、というのは実は逆で、フェルトの世界では引き算をするほど仕上がりが整います。
この3原則は、部活別のモチーフにも、そのまま当てはめられます。ボール・楽器・道具、どれも同じ考え方で簡略化できます。
部活別アイデア22選|自分の部活だと何を作る?
自分の部活だと何を作ればいいのか、ここが一番迷うところのはずです。運動部14種、文化部8種、あわせて22のモチーフから選べます。
球技系(バスケ・バレー・サッカー・野球/ソフト・テニス・バドミントン・卓球)
モチーフが決まらないときは、部活別の定番から選ぶのが早道です。まずは球技系の一覧です。
| 部活 | 定番モチーフ | フェルトの色の組み合わせ | 作りやすさ | ワンポイント |
|---|---|---|---|---|
| バスケットボール | ボール・ゴールネット | オレンジ×黒の線 | ★2 | 線の本数で他の球技と見分けがつきます |
| バレーボール | ボール | 白×青のパネル | ★3 | パネルの配置だけで簡単に作れます |
| サッカー | ボール | 白×黒の五角形パネル | ★2 | 五角形パーツの数がポイントです |
| 野球・ソフトボール | ボール・グローブ | 白×赤の縫い目 | ★3 | 縫い目のカーブが野球らしさを出します |
| テニス | ボール・ラケット | 黄緑×白のライン | ★2 | ラケットのガット部分は刺しゅうで表現します |
| バドミントン | シャトル | 白の羽根+コルク部分 | ★1 | 羽根の数を減らして簡略化できます |
| 卓球 | ボール・ラケット | オレンジまたは白の球 | ★3 | 小さいボールは刺しゅうで表現しても十分です |
ボールは、どれも「丸」から始まります。縫い目の線を1本足すか引くかだけで、バスケにもバレーにも野球にも見えるようになります。22個も作り分けるのは無理と思った人は、まずこの1本の線から覚えてください。
土台になる丸いフェルトを1枚作っておけば、あとは色と線の入れ方だけを部活ごとに変えられます。全員分を作るときも、丸の型紙だけ人数分そろえておくと作業が早くなります。複数の部活が合同で作るときも、この考え方なら型紙を使い回せます。
陸上・水泳・武道系(剣道・柔道・弓道)とダンス
陸上や水泳、武道系、ダンス部は、競技で使う道具そのものがモチーフになります。球技のようにボールという共通の土台が無いぶん、道具の形をどれだけ削れるかがポイントです。
- 陸上:バトン(★1・筒を1本描くだけ)、スパイクシューズ(★2)
- 水泳:ゴーグル(★1・楕円を2つ並べるだけ)、水しぶき(★2)
- 剣道:竹刀(★2)、面(★3・格子の刺しゅうがポイント)
- 柔道:帯を結んだ道着(★2)
- 弓道:矢羽根(★2)
- ダンス:シューズ(★2)、リボン(★1)、音符(★1)
武道系は、帯や袴の色に意味があることが多いです。その部の段位や色に合わせると、より「その部らしい」お守りになります。バトンやゴーグルのようにシンプルな道具ほど、フェルトでも★1で作れます。ダンス部は衣装の色が毎回変わることも多いので、部の代表カラーを1色決めておくと迷いません。剣道の面のように格子模様がある道具は、刺しゅうで数本の線を渡すだけでそれらしく見えます。
文化部(吹奏楽・合唱・美術・書道・演劇・写真・茶道・囲碁将棋・軽音)
運動部向けのアイデアはよく見かけますが、文化部のモチーフはあまり見かけません。「運動部の話ばかりで自分の部が見つからない」という人向けに、まとめておきます。
- 吹奏楽:楽器の形(トランペット・フルート・ホルンなどは★3)、音符(★1)
- 合唱:マイク(★2)、音符(★1)
- 美術:パレットと筆(★2)
- 書道:筆と半紙(★2)、墨(★1・しずく形でOK)
- 演劇:仮面(★2)
- 写真:カメラ(★2)
- 茶道:茶碗(★1)
- 囲碁将棋・軽音:碁石・駒(★1)、ギターのピック(★1)
とくに吹奏楽は、コンクール前に作る人が多いモチーフです。楽器の形にこだわらなくても、音符だけで十分にそれらしく見えます。文化部は道具の輪郭がはっきりしているものが多く、
実は運動部よりも簡略化しやすいモチーフがそろっています。迷ったら★1の音符・碁石・茶碗から選んでください。
パートごとにモチーフを変えたい場合は、楽器の種類ごとに色だけ変える方法もあります。形は同じ楽器のシルエットのまま、リボンの色や刺しゅうの糸色でパートを見分けられるようにすると、全員分そろえても作業が単純なままです。
何を作るか決まらないときの3つの逃げ道
それでもモチーフが決まらないときは、次の3つが逃げ道になります。
- 1つ目は、ユニフォーム型に背番号を組み合わせる方法です。誰のためのお守りか一目でわかるので、実は一番失敗が少ない形です。
- 2つ目は、部の頭文字を1文字だけ乗せる方法です。フェルトを文字の形に切るだけなので★1です。
- 3つ目は、無地の袋型に小さくワンポイントを添える方法です。袋型の作り方は「お守りの手作り完全ガイド(100均)」で紹介しています。
→【お守りの手作り完全ガイド(100均)】(※準備中)
どれも、モチーフそのものを凝るのではなく、「誰のものか」がわかる情報を乗せるという発想です。20個以上作るときほど、この3つのどれかに寄せておくと、全員分そろえたときの見た目もばらけません。迷う時間を減らせるぶん、実際に手を動かす時間が増えます。
運動部から文化部まで型紙が載っているものを調べたところ、部活特化のレシピ本も見つかりました。
型紙を自分で描くのが不安な人には、こちらの方が早いかもしれません。
フェルトマスコットお守りの作り方【写真がなくても作れる手順】
材料をそろえたら、あとは手順どおりに進めるだけです。失敗しやすいところには、先に対策を書いておきます。手が止まったら、その工程を読み返してください。
用意するもの(全部100均でそろいます)
基本の材料は、
フェルト
刺しゅう糸(刺繍糸・25番)
手芸わた
布用ボンド
チャコペン
裁ちバサミ
厚紙
紐
丸カン
ボールチェーン
です。材料選びの詳しいコツは「お守りの手作り完全ガイド(100均)」で扱っているので、ここでは部活のお守り特有の追加分だけ書きます。
背番号を入れるなら、白フェルトを1枚多めに用意してください。部員全員分を作るなら、小さいパーツを何度も切り出すより、大判フェルト(約70×60cm)1枚の方が結果的に安くなります。接着剤は、紙用ではなくフェルト用を選んでください。紙用は乾くと硬くなり、縫うときに針が通りにくくなります。
チャコペンは、消えるタイプを選んでおくと型紙の線を気にせず縫えます。裁ちバサミは、紙用のハサミと分けておくと切れ味が落ちません。ここまでの道具は、100円ショップ1店舗で全部そろいます。
これらの材料は、100均の公式ネットストアにも掲載されています(2026年7月時点)。
近くに店舗がない場合は、ネットストアで先に品番を確認してから買いに行くと、売り場を探す時間が節約できます。
フェルトは手芸コーナー、刺しゅう糸や手芸わたも同じ棚に並んでいることが多いです。紐や丸カンは、アクセサリー用品のコーナーにあるので、あわせて探してみてください。売り場が離れている店舗もあるので、フロアマップで手芸コーナーを先に確認しておくと迷いません。
色数が要る作業なので調べたところ、8色セットが一番使い回しやすそうでした。部の色に加えて差し色があると、全員分を並べたときの見た目もそろいます。
30個作るといくらかかる?【費用の見積り表】
結論から言うと、30個作っても1,500円くらいで足ります。内訳は、こちらの表のとおりです。
| 1個 | 10個 | 30個 | |
|---|---|---|---|
| フェルト | 15円 | 150円 | 450円 |
| 刺しゅう糸 | 10円 | 100円 | 300円 |
| 手芸わた | 5円 | 50円 | 150円 |
| 紐・金具 | 20円 | 200円 | 600円 |
| 合計 | 50円 | 500円 | 1,500円 |
いちばん高くつくのは、丸カンやボールチェーンなどの金具です。紐を輪にして縫い付けるだけにすれば、そこは0円にできます。フェルトや糸は、1枚・1束で複数個分作れるぶん、個数が増えるほど1個あたりの単価が下がります。
※すべて2026年7月時点・100円ショップの一般的な価格から計算した目安です。実際の金額は、選ぶモチーフの大きさや色数によって前後します。
型紙の作り方(スマホの画像から型紙を起こす方法)
Pinterestで見つけた画像から作りたい人が、実はいちばん多いはずです。手順は、次の4つです。
- スマホに画像を出して、紙を当ててなぞること。画面は暗くなるので、明るさは最大にしてください。
- なぞった線を厚紙に写すこと。
- 3つ目は、左右対称のものは半分だけ描いて折って切ること。
- 4つ目は、同じ型を人数分使うので、厚紙を必ず使うこと。
画像が小さすぎるときは、2本指で広げて拡大してからなぞってください。輪郭がガタつく場合は、なぞった線を一度きれいに描き直してから厚紙に写すと、仕上がりが安定します。トレースした線が複雑すぎると感じたら、前の章の「デフォルメの3原則」に戻って、輪郭を削ってから型紙にしてください。
フリーハンドで定規を使わずに線を引くと、10本目には最初の線と別物になっています。型紙も同じで、コピー用紙で作ると10枚目あたりで縁がよれてしまいます。厚紙は牛乳パックの内側を切り開いたものでも代用できます。
切る──小さいパーツをきれいに切るコツ
裁断のコツは3つあります。刃を動かさず、布のほうを回して切ること。曲線は途中で止めずに一筆で切ること。2mm以下の細かいパーツは、切り抜かずに刺しゅうで表現することです。
無理に小さいパーツを切ろうとすると、糸くずが出て輪郭が崩れてしまいます。細部は糸に任せるほうが、結果としてきれいに仕上がります。
切り口がガタガタになる場合は、ハサミの根元ではなく真ん中を使ってください。それだけで、仕上がりがだいぶきれいになります。全員分を切るときは、1人分ずつ仕上げず、同じパーツをまとめて切ると刃の動きが安定します。
顔をきれいに出す(ここで可愛さの8割が決まります)
目・鼻・口は、ボンドではなく糸で縫い付けてください。ボンドは輪郭がにじんで、安っぽく見えてしまいます。糸なら、多少ずれてもほどいてやり直せます。
白目の上に黒目を重ねると、その分厚みが増します。黒目のフェルト1枚に、白い糸のハイライトを1針足すだけで十分です。パーツを重ねる数を減らすほど、仕上がりは薄く、きれいになります。ほっぺに薄いピンクを2mmだけ入れると、一気に可愛くなります。刺しゅうが不安な人は、先に紙に描いてから練習してみてください。
顔が変になる場合は、パーツを縫う前に、置いた状態で1回スマホで撮ってみてください。画面越しに見ると、左右のズレが一発でわかります。
縫う(ブランケットステッチ)と綿の詰め方
縫い方は、ブランケットステッチが基本です。糸は2本どり、針目は3〜4mm間隔にします。角の部分だけ、1目多く入れてください。針目をそろえるほど、輪郭がきれいに見えます。慣れるまでは、目印になる点をチャコペンで先に打っておくと、間隔がそろいやすくなります。
綿は7割ほどで止めるのがコツです。詰めすぎると、縫い目が引っ張られて開いてしまいます。少なすぎても、今度はぺたんこにしぼんで見えてしまいます。
リュックに荷物を詰めるときと同じです。パンパンに詰めるとチャックが開いてしまいますが、7割くらいならきれいに閉まります。
針は、作業を始める前と終わったあとに本数を数えてください。1本ずつ針山に戻すと安心です。
名前・背番号・チームカラーの入れ方
刺しゅうが苦手でも、方法は3つあります。
1つ目は、フェルトを数字の形に切って貼る方法です。いちばん確実で★1です。
2つ目は、布用ペンで書く方法です。にじむので、試し書きしてから本番に進んでください。
3つ目は、刺しゅうする方法です。仕上がりはきれいですが★3になります。
数字は0から9までを10枚まとめて切っておくと、全員分の背番号が一気に進みます。1個ずつ切り出す手間がなくなるので、この段取りだけで作業時間はかなり変わってきます。名前を入れたい場合も、頭文字だけにすると型紙が使い回せて早くなります。2桁の背番号は、数字を横に2枚並べて縫い付けるだけでOKです。
中に何を入れる?
中に入れるものは、メッセージの紙を小さく折ったもの、部のスローガンを書いた紙、あるいは何も入れずに綿だけ、の3パターンが多いです。何も入れないパターンが実はいちばん多くなっています。メッセージを入れる場合は、小さく折るほど綿に紛れて厚みが目立ちません。
お菓子や食べ物は、潰れたり傷んだりするので避けてください。神社で授かったお札やお守りの中身を移し替えるのも避けます。それは別のものとして扱ってください。中に入れるものは、紙とメッセージだけにとどめておくのが無難です。何も入れない場合は、綿の量だけで十分にふっくらします。
キーホルダー・ストラップにする(部活バッグに付ける)
部活バッグに付けるなら、丸カン+ボールチェーン、紐を輪にして縫い込む方法、ナスカンのいずれかを使います。紐を縫い込むタイミングは、綿を入れる前です。ここを間違えると、全部やり直しになるので気をつけてください。
丸カンを使う場合は、綿を詰めて縫い終えたあとに、上部の縫い目へ差し込むだけなので手順を選びません。紐を輪にして縫い込む方法は、材料費がいちばん安く済みます。ナスカンは、取り外しができるので、キーホルダーとしても使いたい人に向いています。
紐がすぐ取れた場合は、紐を表布と裏布の間に1cmだけ挟み込んで、その部分だけ2往復縫ってください。玉結びを1つ大きめに作ってから挟み込むと、さらに抜けにくくなります。接着だけで留めると、バッグの中で揺れているうちに外れやすいので、縫うか、しっかり圧着するかのどちらかを選んでください。
100均だと個数が足りないことがあるので調べたところ、まとめ買い用のセットが見つかりました。全員分の金具を一度にそろえたい人向けです。
縫うのが無理そうなら、縫わないで作る方法もあります
縫うのが難しそうなら、縫わない方法に切り替えてしまって大丈夫です。布用ボンドで貼り合わせる方法、シールフェルトを使う方法、アイロン接着シートを使う方法があります。針や糸を使わないので、家庭科が苦手な人でも同じ見た目に仕上がります。
途中まで縫って、残りだけ接着に切り替えるのもありです。表側だけ縫い目を見せて、裏側はボンドで留める、という組み合わせもよく使われます。詳しい手順は「お守りの手作り完全ガイド(100均)」で紹介しています。
→お守りの手作り完全ガイド(100均)】(※準備中)
部員全員分を、大会に間に合わせる段取り
作り方がわかっても、部員全員分となると話は別です。残り日数から工法を判定する方法と、全員分を早く終わらせる進め方があります。
間に合うかどうかを数字で判定する【逆算スケジュール表】
部員全員分となると、残りの日数から逆算して工法を決める必要があります。
| 残り日数 | 作る個数 | 1日に作る数の目安 | 工法の判定 |
|---|---|---|---|
| 14日以上 | 30個 | 1日2〜3個 | 手縫いで間に合います |
| 7〜13日 | 30個 | 1日3〜4個 | 手縫いと接着の併用がおすすめです |
| 5〜6日 | 30個 | 1日5〜6個 | 縫わない工法へ切り替えましょう |
| 3日以下 | 10個 | 1日4個以上 | ★1のモチーフに変えましょう |
「間に合わない」と出たときの選択肢は3つあります。1つ目はモチーフを★1に下げること、2つ目は縫わない工法に切り替えること、3つ目は手伝ってもらうことです。表の数字はあくまで目安ですが、「間に合うかどうか」を感覚ではなく数字で判断できるようにしておくと、途中で焦らずに済みます。
作る個数が多いほど、早めに工法を決めておいたほうが安心です。残り日数を数える習慣を、材料をそろえる日から始めてください。表の数字は30個を基準にしていますが、10個や20個の場合は、割合で計算し直すとおおよその目安がつかめます。
たとえば10個・残り7日なら、30個・残り14日と同じくらいの余裕があります。1日あたり1〜2個のペースで、手縫いのまま間に合わせられます。
1個ずつ完成させない──工程で分けて進める
全員分を作るときは、1個ずつ最初から最後まで仕上げるのではなく、工程ごとにまとめて進めます。全員分の型抜きを先に終わらせ、次に全員分の顔を仕上げ、最後に全員分を縫う、という順番です。
学校のプリントを思い出してください。1人分ずつ刷ってホチキスで留めていく人はいません。全部刷ってから、まとめて綴じるはずです。お守り作りも、同じ順番で進めると早くなります。
工程ごとに分けると、道具の準備や片付けの回数も減ります。ハサミを出しっぱなしのまま裁断だけ終わらせて、次に針と糸を出して縫う、という流れにすると効率的です。作業スペースを部活の教室や部室の一角にまとめておくと、道具を毎回持ち帰らなくて済みます。
全員分でも早く終わるモチーフの選び方
顔を描かないもの、たとえばボール型やユニフォーム型、頭文字は、圧倒的に早く終わります。顔があるものは、1個あたり15分ほど増えると考えてください。目・鼻・口の位置を毎回考える時間が、そのまま積み重なるからです。
背番号だけ変えて、あとは全員お揃いのデザインにする方法が、作業も気持ちも両方いちばん軽くなります。型紙も色も1種類で済むので、材料の無駄も出にくくなります。「誰か1人だけ手抜きに見えないか」と悩む時間そのものが減るのも、大きなメリットです。
手伝ってもらうのは、手抜きじゃない
友達や家族、後輩に「切る係」「綿を詰める係」を分担してもらう方法もあります。工程ごとに分けてあるからこそ、この分担ができます。裁断だけ得意な人、縫うのが得意な人、というように向き不向きで振り分けても構いません。何人かで囲んで進めると、作業そのものが楽しい時間にもなります。
家族に手伝ってもらって全員分を完成させた、という話もよく聞きます。1人で抱え込むより、期日に間に合わせる方が、渡す相手にとっても意味のあることです。手伝ってもらった分、渡すときの「みんなで作った」という一言も添えやすくなります。学校で作業する時間が取りにくい場合は、家に持ち帰って進める人も多いです。
手伝ってもらうときは、パーツの型抜きや綿詰めなど、間違えても直しやすい工程からお願いすると気楽です。顔や名前の刺しゅうのように失敗が目立つ工程は、自分でやるほうが安心できます。
渡し方と、付ける場所
完成したあとは、渡すタイミングと場所で悩む人が多いです。渡し方ひとつで、伝わる気持ちも変わってきます。
いつ渡す?(大会前日がおすすめの理由)
当日の朝に渡すと、受け取った側が付ける場所を探して慌ててしまいます。前日までに渡せば、バッグに付けたまま大会に持っていけます。朝は準備で忙しく、ゆっくりお守りを見る余裕もありません。
引退の日や、コンクール前、受験前も同じ考え方です。前もって渡すほうが、受け取る側にも心の準備ができます。練習の合間や、下校のタイミングで渡すくらいがちょうどいいです。渡す場面を先に決めておくと、逆算スケジュール表の残り日数も決めやすくなります。
「重い」と思われない渡し方
全員に同じものを渡すのが、いちばん軽いです。1人だけ違うデザインを渡すと、そこに意味が生まれてしまいます。同一デザインにして、背番号だけ変えるのが、気持ちの面でも作業の面でも一番楽な方法です。
おそろいのデザインなら、渡す側も「特別扱い」を気にせずに済みます。受け取る側も、気負わずに受け取れます。
メッセージは、短く、全員に同じ長さでそろえてください。
長い文章は、受け取った側に返事を書かなければという気持ちを生んでしまいます。定型の言葉に名前を添えるくらいが、いちばん受け取りやすい形です。
「頑張って」
「応援してるよ!」
のようなひと言に、名前と背番号を添えるだけで十分伝わります。
クラスの誕生日会を思い出してください。1人にだけ特別に高いプレゼントを渡すと、もらった方が困ってしまいます。お守りも、全員同じくらいの重さがちょうどいいです。
どこに付ける?
試合中に身につけるものではなく、試合に向かう時間に一緒にいるものとして渡すのが定番。
付ける場所は、部活バッグ、ラケットケース、シューズ入れ、筆箱、ロッカーの内側などがおすすめです。
競技によっては、ユニフォームや用具に物を付けるのが規則で決まっていることがあります(高校野球など)。試合で身につけたい場合は、顧問の先生か部長に一度きいておくと安心です。
バッグやケースに付ける形なら、こうした確認もいりません。
持ち歩き方の工夫は「お守りの持ち歩き方」でも紹介しています。→【お守りの持ち歩き方】(※準備中)
自分用に作るのもアリ
ここまで、誰かに渡すための話をしてきました。ですが、自分のために1個作るのも、立派な使い方です。
文化情報誌ニコラが中高生411人に聞いたアンケートによると、手作りのお守りを渡す相手の2位は「自分用」でした。
誰かのためだけでなく、自分のためのお守りがあってもいいはずです。筆箱やペンケースに付けておけば、試験や大会の本番でも一緒にいられます。
自分用なら、色やモチーフも遠慮なく好きなものを選べます。誰かに気を遣わなくていい分、練習として1つ作ってみるのにもちょうどいいです。
つむぎ所長自分の分もあっていいと思うんですよね
まとめ|作り始める前に決めておく5つのこと
ここまで、モチーフの選び方から、部活別のアイデア、作り方、段取り、渡し方まで見てきました。フェルトなら100円、時間も30分あれば1個作れます。難しく考えなくても、手を動かせば形になります。作り始める前に、この5つだけ決めておいてください。
- 何個作るか
- モチーフと★(間に合うか)
- 色は3〜4色まで
- 材料の買い出し(30個なら約1,500円)
- 渡す日
不器用でも、この5つを先に決めておけば、あとは表と手順のとおりに進めるだけです。★1のモチーフなら、今日の夜に1個できます。
あわせて読みたい
- お守りの手作り完全ガイド(100均)(※準備中)
- お守りの持ち歩き方(※準備中)
