「新米を買ったけど、新嘗祭まで食べちゃいけないんだっけ?」「11月23日、神棚に何を足せばいいの?」
新嘗祭のお供えは、いつもの米・塩・水・酒を新しくして米を新米にし、旬の野菜や果物を1品足した5品です。
新米は食べてはいけないものではありません。理由は、炊く前にひとつかみ神棚に供えれば、神様が先になるからです。
- 11月23日の朝、米・塩・水・酒を新しく替え、米は新米の洗米にする
- その年にとれた野菜か果物を1品足し、全部で5品にする
- 新米は、最初に炊く前にひとつかみ神棚に供えてから食べ始める
- 供えた5品はその日の夕方に下げ、夕食で家族でいただく
- 神社に納めるお金は、のし袋に「初穂料」と書いて新札で包む
5品のお供え物の中身、新米を食べ始める日、供え方、下げたあとの食べ方、神社に納める初穂料とのし袋の表書きまで答えます。
勤労感謝の日と同じ11月23日の祭りを、宮内庁や神社の公式ページ、國學院大學の先生の解説で突き合わせました。
新嘗祭のお供え一覧
新嘗祭のお供えは、いつもの米・塩・水・酒を新しくして米を新米にし、その年にとれた野菜か果物を1品足した5品です。
稲穂・餅・鯛は足しません。
| 品 | よく言われる答え | じゃあどうする |
|---|---|---|
| 米 | 新米・初穂を供える | いつもの米の皿を新米の洗米に替える |
| 酒 | 御神酒・新酒を供える | ふだんの日本酒を、いつもの酒の器に新しく注ぐ |
| 塩 | いつもどおり | 新しい塩に替える |
| 水 | いつもどおり | 朝いちばんの水にくみ替える |
| 野菜・果物 | 旬の作物・五穀を供える | その年にとれたものを1品足す |
| 稲穂・餅・鯛 | 神社の大祭で供える | 5品には入れない |
神社本庁の神棚の案内には、家庭のお供えの基本は米・塩・水で、できれば酒も、とあります。季節の初物を供えてもよい、とも書いています。
神饌の案内には、時に応じて餅や菓子、魚や野菜を加えてもよい、ともあります。そのうえで、この記事では5品に決めます。
米を新米に替え、旬の1品を足す形です。理由は、新嘗祭が新穀を供える祭りで、5品なら23日の朝に迷わず並べ終えられるからです。
稲穂は春日大社や浅草神社の新嘗祭で、餅と鯛は鈴鹿明神社(神奈川県座間市)の大祭で供える品です。
新米の形と選び方
新米の形は、洗米(研いで乾かした生の米)です。
神饌には、調理しない生饌と、調理して供える熟饌があります。神饌の案内に載っている区別です。
洗米は生の米で、前日に研いで乾かせば、一日置いても傷みません。いつもの米の皿にそのまま盛れます。炊いたご飯は、夕食でいただく側に回します。
つむぎ所長炊いたご飯は、供えるものじゃなくて食べるもの。供えるのは生のままの米です。
新米がまだ手元に無い家は、23日までに1袋用意します。選ぶ基準は3つです。
- 袋に「令和8年産」と書いてあるものを選ぶ。産年の表示で、その年にとれた米だと確かめる
- 玄米ではなく、精米(白米)を選ぶ。洗米にして供えるため
- 量は、供えるだけなら2〜3合の小袋。23日の夕食まで家族で食べるなら2kg
「新米」の2文字だけでは選びません。大阪府の表示の案内では、「新米」と書けるのは、とれた年の12月31日までに精米して袋に詰めた米だけです。
供えるのはひとつかみなので、大袋は要りません。
この3つで絞り込んだ検索結果を置いておきます。
足す1品の選び方
足す1品は、その年に近くでとれた野菜か果物です。大根、里芋、柿、みかんが例になります。
選び元は、神饌の一覧です。米・酒・餅・海川の魚・野鳥水鳥・海藻・野菜・果物・菓子・塩・水が並んでいます。
一覧の品から選べば、神社のお供えと同じ並びです。肉料理と香りの強い加工品は、一覧に無いので5品に入れません。
つむぎ所長ちなみに『五穀』は、一般に米・麦・粟・豆・黍と言われます。粟や黍は探すのが大変。近くでとれた1品なら、すぐ手に入ります。
新嘗祭まで新米を食べてはいけない?
新嘗祭の11月23日まで待たずに、新米は最初に炊く前にひとつかみを神棚に供え、その日から食べ始めます。
11月23日まで新米を食べない家や地域は、たしかにあります。
國學院大學の木村大樹氏の解説でも、新米を神様や天皇陛下より先にいただかない風習が、家庭や地域に残っているとされています。
私の提案は、先に神棚へ供えることです。供えれば神様が先になるので、待たずに食べ始められます。
| 場面 | どうする |
|---|---|
| 新米を買った・もらった日 | 炊く前にひとつかみを洗米にして、神棚の米の皿へ。その日の夕食から食べる |
| 11月23日の朝 | 改めて新米を盛り替え、旬の1品を足して5品にする |
| 実家や地域が23日まで待つ家 | その家の中では、その家のやり方に合わせる |
実家で新米を出されたら、23日を過ぎてから箸をつけます。その家の食卓では、その家の順番に従うのが筋です。
自分の家の台所に戻ったら、ひとつかみを供えて食べ始めます。たしかにひと手間。でも、これで角が立ちません。

新嘗祭のお供えの供え方と下げる時間
新嘗祭のお供えは、11月23日の朝に5品を並べ、その日の夕方に下げます。
並べ方はいつもの順のまま、足した1品をいちばん端に置きます。
供える手順
- 前日までに、新米を研いで乾かします(洗米)
- 23日の朝、手と口をすすぎます
- いつもの4品の器を下げて、洗います
- 米を新米の洗米に替え、塩・水・酒を新しくして並べます
- 旬の1品を足し、手を合わせて、今年の収穫のお礼を伝えます
器は、いつも使っている似た器のままで使えます。神棚の案内にも、神具店で買う必要はないとあります。
神棚が無い家は、私のおすすめの手順で供えます。
目線より高い棚の上を拭いて白い紙を敷き、小皿に新米と水を入れて供えます。理由は、神棚の代わりに、清めた高い場所を1か所つくるためです。
足した1品を置く場所
並べ方の基本は、中央に米、そこから外へ酒・塩・水です。棚板に余裕がなければ、この限りではないとされています。
足した1品は、その続きの4番目、いちばん外側に置きます。基本の順の続きに置けば、並びが崩れないからです。棚が狭ければ、米の手前に置きます。
いつもの4品の並べ方と水の替え方は、こちらの記事にまとめています。


下げる時間
お供えは、23日の夕方に下げて、夕食に回します。理由は、祝日の1日に、朝と夕方の2回なら無理なく収まるからです。
宮内庁の説明では、宮中の新嘗祭は、天皇陛下が新穀を神々に供え、陛下自らも召し上がる祭典です。供えてからいただく順は、家でも同じです。
翌朝からは、いつもの4品に戻し、米は新米のままです。
下げた新嘗祭のお供えの食べ方
下げた新嘗祭のお供えは、その日の夕食で家族でいただきます。新米の洗米はほかの新米と一緒に炊き、野菜や果物はそのまま献立に入れます。
お供えを下げたあとにいただくことを、神人共食といいます。神饌の案内に出てくる言葉です。
品ごとの使い道
| 品 | 下げたあと |
|---|---|
| 新米(洗米) | ほかの新米と一緒に炊く |
| 酒 | 夕食の料理か晩酌に使う |
| 塩 | 料理に使う |
| 水 | その日のうちに使い切る |
| 野菜・果物 | 夕食に出す |
新嘗祭の夕食の献立
新嘗祭の夕食は、新米のご飯と、供えた野菜を入れた汁物の一汁にします。
供えた品をそのまま口にできて、神人共食の形になるからです。
供えたあとに分ける神社もあります。青森市の廣田神社は、2020年の新嘗祭で供えた米・野菜・果物を、こども食堂7か所へ寄付しました。
神社の新嘗祭に納めるお供えとお金
神社の新嘗祭にお供えを納めるなら、品物ではなくお金にして、のし袋に「初穂料」と書き、新札で包みます。
受付で「新嘗祭のお供えです」と言って渡します。
品物の奉納を受ける神社もありますが、受付の決まりは神社ごとです。お金なら、新嘗祭の前後に社務所の受付で渡せます。
新嘗祭は、多くの神社が11月23日に行います。春日大社は2026年11月23日(月・祝)10時から、浅草神社は毎年11月23日10時からです。
持って行く前に、その神社の時刻を公式サイトで見ておきます。
のし袋の表書き
表書きは、初穂料です。
神社へのお金を「お初穂」と呼ぶのは、秋に初めて収穫した稲穂を神さまに供えてきたことから。
神社本庁の初穂料・玉串料のマナーに、この由来があります。
新札(ピン札)で包むのは、公式の決まりではなく、私のおすすめです。理由は、前もって用意したお金を神前に出す形がそろうからです。
渡すときの言い方
受付で言うのは、「新嘗祭のお供えです。お納めください」の一言です。
のし袋は、両手で持って渡します。
新嘗祭とは?11月23日の意味と神嘗祭との違い
新嘗祭(にいなめさい)とは、その年にとれた新穀を神々に供えて収穫を感謝する祭りで、毎年11月23日に宮中と全国の神社で行われます。
10月17日の神嘗祭は伊勢の神宮に新穀を供える祭りで、11月23日の新嘗祭とは日も供える先も違います。
| 祭り | 日付と中身 |
|---|---|
| 祈年祭 | 2月17日、年穀豊穣を祈る |
| 神嘗祭 | 10月17日、伊勢の神宮に新穀を供える(宮中は賢所) |
| 新嘗祭 | 11月23日、新穀を供えてお礼を伝える |
同じ國學院大學の解説では、明治より前は旧暦11月の2度目の卯の日。新暦に変わった年のその日が23日で、以後11月23日です。
勤労感謝の日も、同じ11月23日です。
1948年(昭和23年)の国民の祝日に関する法律で、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日になりました。
| どこで | 誰が何を供えるか |
|---|---|
| 宮中 | 天皇陛下が神嘉殿で新穀を皇祖はじめ神々に供え、陛下自らも召し上がる。ご自身が栽培された新穀も供える |
| 全国の神社 | 神職が新穀・野菜を供える。春日大社は稲穂を根付きで懸ける懸税、浅草神社は神社で育てた稲穂 |
| 家の神棚 | いつもの4品の米を新米にし、旬の1品を足した5品(お供え一覧) |
私が調べていて意外だったのは、伊勢の神宮にはもともと新嘗祭が無かったことです。
神宮では新穀を神嘗祭で供えるため、明治5年に勅使が派遣されたのが始まりだと、伊勢神宮の公式サイトにあります。
宮中のお供えと、家の神棚のお供えは、別の話です。家では、上の表のとおり5品を並べます。
新嘗祭のお供えのよくある質問
よく聞かれる8つに、短く答えます。
神様が喜ぶお供え物は何ですか?
神様が喜ぶお供え物は、その年にとれた新米と、近くでとれた旬の野菜や果物です。初穂を供えてきた考え方に合います。くわしくは足す1品の選び方へ。
神様にお供えしてはいけないものは何ですか?
禁止ではなく、5品に入れないものとして、肉料理と香りの強い加工品があります。理由は、神饌の一覧に無く、並びがそろわなくなるからです。くわしくは足す1品の選び方へ。
新嘗祭に供える米はどんな米ですか?
宮中では、陛下ご自身が栽培された新穀も供えます。家では、袋に「令和8年産」と書いてある新米を洗米にして供えます。くわしくは新米の形と選び方へ。
初穂料はピン札ですか?
初穂料は新札で包みます。前もって用意したお金を神前に出す、という形がそろうからです。くわしくはのし袋の表書きへ。
新嘗祭はいつですか?
新嘗祭は毎年11月23日です。2026年は月曜日で、勤労感謝の日の祝日でもあります。くわしくは新嘗祭とはへ。
勤労感謝の日と新嘗祭の違いは何ですか?
どちらも11月23日です。新嘗祭は新穀を供える祭りで、勤労感謝の日は1948年の祝日法で定めた国民の祝日です。くわしくは新嘗祭とはへ。
新嘗祭では何をするのですか?
宮中では陛下が新穀を供えて自らも召し上がり、神社では収穫のお礼を伝える祭りが行われます。家では5品を供えて、夕方に下げて家族でいただきます。くわしくは供える手順へ。
新嘗祭の読み方は?
新嘗祭は「にいなめさい」と読みます。宮内庁の主要祭儀一覧にも、この読みで載っています。くわしくは新嘗祭とはへ。
新嘗祭のお供えのまとめ
新嘗祭のお供えは、いつもの4品を新しくして米を新米にし、旬の1品を足した5品です。朝に供え、夕方に下げて、夕食でいただきます。
- 家に神棚がある → 23日の朝に5品、夕方に下げる
- 新米をもう買った → ひとつかみ供えてから食べ始める
- 実家が23日まで待つ → その家ではその家に合わせる
- 神社に納める → 「初穂料」と書き新札で包む
- 神棚が無い → 高い棚に白い紙を敷き、新米と水を小皿で
11月22日の夜に、新米をひとつかみ研いでおきましょう。それが、新嘗祭の準備のはじまりです。

※この記事の情報は2026年10月13日時点のものです。
