玄関の前で、立春大吉のお札(御札)を手にしたまま外側か内側かで手が止まっている方へ。去年のお札がまだ貼りっぱなしで、剥がし時を逃したまま気になっている方も、同じくらい多いはずです。
結論から先に言うと、貼る場所は玄関の外側が基本です。
賃貸やマンションで外側に貼る場所が無い場合は、内側でも問題ありません(理由はこのあと説明します)。貼るのは立春の日、剥がすのは翌年の立春です。「いつまで貼るか」で検索してこのページに来た方も、この2行でひとまずの答えは出ています。
この記事は、立春大吉を頒布している出雲大社相模分祠の公式Q&Aと、そもそもの風習の出どころである曹洞宗の解説を突き合わせて書きました。ネット上で答えが割れている「いつまで」問題も、出典を並べて決着させます。
玄関の扉の形ごとにどこへ貼ればいいかは、図解にしてあります。文章だけでは伝わりにくい部分なので、先に目を通してから読み進めるとわかりやすいはずです。
立春大吉のお札を貼る場所|玄関の外側と内側の使い分け
立春大吉のお札は、玄関の外側の上のほうに貼るのが基本です。ただし賃貸や集合住宅で外側に貼る場所が無い場合は、内側に貼っても問題ありません。
外側に貼るのが基本とされる理由
出雲大社相模分祠の公式サイトのQ&Aには、玄関や部屋の入り口の外側上部に貼る、上部にスペースが無ければ扉の外側に、と書かれています。方角はどちらでもよいとも明記されています。もともとの風習である曹洞宗の解説でも、貼る場所は寺院の山門や玄関の両脇とされていて、内向きより外向きの発想が土台になっていることがわかります。
内側に貼ってよい3つの場合
次のどれかに当てはまるなら、内側に貼って何の支障もありません。
- 雨風や直射日光が強く当たる位置しか外側に無い
- 集合住宅で玄関ドアの外面が共用部分にあたる
- 外側に貼れる平らな面がない
賃貸だから作法を外している、というわけではなく、単純に貼る面が無いだけの話です。
後ろめたさを感じる必要は無く、家の造りに合わせて外側か内側かを選べば十分です。
つむぎ所長賃貸だと後ろめたい気持ちになりがちですが、外に貼れないのは家の造りの話であって、信心の話ではないんですよね
玄関のほかに貼れる部屋と避けたい場所
出雲大社相模分祠は、お子様の勉強部屋など大切な部屋の入り口も候補に挙げています。リビングの入り口も、この考え方の範囲に入ります。
逆に避けたいのは、床に近い低い位置、人がよく触れる位置、水や汚れがかかる位置です。仏壇に貼ってよいか迷う方もいますが、立春大吉はもともと家の入り口に掲げる札という位置づけなので、先祖をまつる仏壇とは役割が別、と考えると整理がつきます。

立春大吉の貼り方|高さ・向き・扉の形ごとの位置
貼る高さは目線より高い位置、向きは文字を外に向けます。留めるのはのりか両面テープで、画鋲は使いません。
目線より高い位置という目安
出雲大社相模分祠は「目より高い位置に」と案内しています。床から何cmという公的な基準は無いので、この「目線より高い」という言い方がいちばん実用的な目安になります。
文字を外へ向ける貼り方と方角の考え方
文字は外に向けて貼ります。方角は関係ないと同社が明記しているので、東向きや南向きが良いという説より、この一次情報を優先すれば十分です。
画鋲を使わない留め方
留め方はのりや両面テープです。画鋲を刺すと札本体を傷つけてしまうため、同社のQ&Aでも画鋲を避けるよう案内されています。
引き戸・開き戸・マンションドア別の貼る位置
外開きドア・内開きドア・2枚の引き戸・マンションの共用廊下側ドアでは、向かって右側の扱いが変わります。上の図解①にまとめてあるので、玄関の扉の形に合わせて見比べてください。
扉の形が変わっても、目線より高く・文字を外へ・画鋲は使わないという3点は共通です。
賃貸マンションでの立春大吉の貼り方|共用部に貼れないときの置き場所
賃貸や分譲マンションで玄関ドアの外側に貼れないのは、そこが共用部分にあたることが多いためです。作法を外しているのではなく、住まいのルールに従っているだけです。
玄関ドアの外側が共用部にあたる理由
集合住宅では、玄関ドアの外面とその周りは共用部分として扱われることが多く、掲示物を貼れるかどうかは管理規約で決まっています。国土交通省が示すマンション標準管理規約でも、共用部分の使い方は住戸ごとの判断に委ねられていません。
管理規約の確かめ方
賃貸なら管理会社か大家、分譲なら管理組合に問い合わせるのが早道です。過去の掲示物や貼り紙に関する取り決めが、そのまま立春大吉にも当てはまります。
壁を傷つけずに掲げる3つの方法
共用部に貼れないときは、次の3つのどれかで内側に掲げられます。
- 半紙で額のように包んで内壁に留める
- マスキングテープを下地にしてから両面テープで留める
- シューズボックスの上に立てて置く
穴を開けたくない場合は、100均の神棚完全ガイドでも同じ発想の留め方を紹介しています。あわせて読むと、お札全般の置き場所の悩みが解消しやすくなります。
立春大吉を貼る日|2027年の立春と貼り忘れたときの目安
2027年の立春は2月4日です。貼るのはこの日で、もし過ぎてしまっても2月19日の雨水までなら遅れを取り戻せます。
2027年の節分・立春・雨水の日付
立春・雨水はどちらも二十四節気の1つで、国立天文台の暦計算室が毎年の正確な日時を算出しています。暦の節目つながりでは、土用の土いじりはいつまでダメ?という記事でも、同じような「いつまで」の迷いを扱っています。
| 呼び名 | 2027年の日付・時刻 |
|---|---|
| 節分 | 2月3日(立春の前日) |
| 立春 | 2月4日 10時46分(この日に貼ります) |
| 雨水 | 2月19日 6時33分(貼り遅れの目安) |
国立天文台の暦要項に基づく数字なので、そのまま予定に書き込んで問題ありません。
立春の日から貼るという案内は、複数の神社の公式サイトでもそろっています。
立春当日に貼るという案内の出どころ
出雲大社相模分祠も七社神社も、立春の日から貼るという案内をそろえて出しています。
貼り忘れたときの目安
2月4日を過ぎてしまっても、2月19日の雨水までは十分に間に合わせられます。この日付は、お札そのものの頒布期間が大寒から雨水までとされていることに由来していて、雨水まではまだ受け取れる期間として扱われているためです。1年待つ必要はなく、その年のうちに貼り直せます。

立春大吉を貼る期間|翌年の立春までとする根拠と剥がす日
立春大吉は、貼った日から翌年の立春の日まで貼っておきます。剥がすタイミングは、新しいお札に取り替えるときです。
「立春の日から翌年の立春の日まで」という神社の回答
出雲大社相模分祠の公式Q&Aは「立春の日から翌年の立春の日まで貼っていただきます。翌年新しい立春大吉とお取替えいただく時にお外しください」と明記しています。この記事では、この回答を軸に置きます。
「翌年の節分まで」「雨水まで」との違いの整理
ネット上で「いつまで」の答えが割れているのは、次の3つの説が混ざって伝わっているためです。
| 説 | 内容 |
|---|---|
| 翌年の立春まで | 翌年2月4日ごろ。神社の公式回答どおりで、本記事が採る結論です |
| 翌年の節分まで | 翌年2月3日ごろ。節分は立春の前日なので、実質同じ日を指しています |
| 雨水まで | その年の2月19日ごろ。もとは札を受け取れる期限の話で、貼っておく期間の話とは別です |
並べてみると、実はそれほど大きな食い違いではないことがわかります。
混同の元をたどると、頒布期限の話と、貼っておく期間の話が別々の質問だったことに行き着きます。
剥がれた・破れた・引っ越すときの扱い
お札が途中で剥がれたり破れたりした場合、同社のQ&Aは「外して古札納所へ納め、次の年に新しいものを受ける」ことを案内しています。引っ越しのときは、きれいに外せれば引っ越し先で貼り直し、難しければ納めて翌年新しいものを受け取ります。
どちらも粛々とした物理的な対処として案内されていて、剥がれること自体は次の年に切り替えるきっかけの1つとして扱われています。不吉な前触れとして怖がる話ではありません。
立春大吉のお札の処分|古札納所への返納と納められないときの手順
役目を終えた立春大吉は、授かった寺社の古札納所に納めます。近くに授かった場所が無ければ、近所の神社の古札納所でも受け付けてもらえます。
授かった寺社に返す手順
まずは授かった神社やお寺の古札納所を訪ねるのが基本です。持参して納めれば、それで手続きは足ります。
近くの神社の古札納所に納める場合の考え方
立春大吉はもともと禅宗の寺の風習ですが、出雲大社相模分祠のQ&Aは「お近くの神社の古札納所へお納めください」とも案内しています。神社が頒布した札は神社へ、お寺が頒布した札はお寺へ、が迷わない基準になります。ただし近くに同じ寺社が無い場合は、この案内どおり近所の神社に納めれば十分です。
郵送でお焚き上げを頼める先
近くに納める場所が見つからない場合、出雲大社相模分祠は郵送でのお焚き上げも受け付けています。遠方に住んでいて足を運べない方にとって、現実的な選択肢になります。
三峯神社のお守り種類と値段一覧でも古札納所の探し方に触れているので、あわせて読むと迷いにくくなります。
自宅で処分するときの作法【伝承・諸説】
立春大吉のお札の入手先|神社・お寺・通販の頒布時期と初穂料
立春大吉のお札は、神社・曹洞宗の寺院・神具店の通販で手に入ります。神社の頒布は年によって時期が決まっているため、事前に公式サイトで確かめておくと確実です。
| 頒布元 | 頒布時期・初穂料・郵送 |
|---|---|
| 出雲大社相模分祠(神奈川県秦野市・神社) | 令和8年は12月15日〜2月19日 1体1,000円、郵送可 |
| 七社神社(東京都北区・神社) | 令和8年は1月20日〜2月19日 1,000円(福豆付き1,500円)、郵送不可 |
| 曹洞宗などの禅寺 | 立春前後、初穂料は寺により異なる |
| 神具店・通販(伊勢宮忠など) | 通年、木札1,980円、通販で購入可 |
この時期・金額は、令和8年(2026年)分として各公式サイトに載っていたものです。令和9年(2027年)分の頒布時期・初穂料・郵送可否は年末が近づくと更新されるため、実際に授かる前に各社寺の公式サイトで最新の案内を見ておくと安心です。
神社で授かる場合の頒布時期と初穂料
上の表のとおり、出雲大社相模分祠と七社神社はどちらも神社です。頒布期間はおおむね大寒から雨水にかけてで、初穂料は1,000円前後が目安になります。
曹洞宗のお寺で授かる場合の探し方
立春大吉はもともと曹洞宗の寺院の風習なので、近所の曹洞宗のお寺で授かれることもあります。曹洞宗の公式サイトである曹洞禅ネットには寺院検索の機能があり、近くの寺院を探す手がかりになります。
通販で買える木札と紙札の違い
神社やお寺で授かる札の多くは紙ですが、神具店では木曽桧を使った木札も扱っています。
伊勢宮忠の商品ページによると、幅88mm・高さ248mmの木札が税込1,980円で紹介されています(令和8年用は在庫切れ)。紙の札のように毎年取り替えず、年号入りで長く使う人向けの選択肢です。
立春大吉の木札は 楽天市場でも扱われています。上のページが在庫切れのときの探し先になります。紙の札を1年で取り替える形と、どちらが自分に合うかで選んでください。
立春大吉を自分で書く手順|紙・筆・書く日と左右対称に整えるコツ
立春大吉は白い半紙や和紙に、筆か筆ペンで自分で書くこともできます。用意するものと書く日さえ押さえれば、特別な道具は必要ありません。
用意するもの(紙・筆・墨)と紙の大きさ
用意するのは白い半紙か和紙、筆と墨、または筆ペンです。紙の大きさに決まりは無いので、玄関に貼って文字が読める大きさ、縦15〜20cmくらいを目安にすれば十分です。
書く日と時間の目安
書く日は立春の日です。当日にあわてないよう、紙と筆は前日までにそろえておくと落ち着いて書けます。
左右対称に整える3つのコツ
次の3つを押さえるだけで、見た目の整い方がかなり変わります。
- 紙を縦に軽く折って中心線を作る
- 「立」「春」「大」「吉」の4文字を等間隔に配る
- 1文字ずつ、中心線に対して左右のバランスを見る
この順番で確かめると、書き直しの回数も減らせます。
書き損じたときの扱い
書き損じた紙は破って捨てず、次に書き直すまで白い紙に包んでおきます。古札と一緒に納めれば、まとめて処分できます。
自作の札と授与された札の違い
自分で書いた札は、自分の家を自分で整える行いです。神社やお寺でご祈祷を受けて授かる札と同じ扱いを求めるものではなく、性格が異なる2つの選択肢としてとらえておくとしっくりきます。
立春大吉と鎮防火燭|2枚セットの意味と貼り分け
鎮防火燭(ちんぼうかしょく)は、立春大吉と対になる護符です。立春大吉を玄関に、鎮防火燭を台所など火を扱う場所に貼り分けるのが一般的です。
鎮防火燭の読み方と意味
読み方は「ちんぼうかしょく」です。曹洞宗島根県第二宗務所の解説によると、竈の火や灯火を鎮めて火災などの災いを防ぐ護符とされていて、「火」の字をわざと小さく書くこともあるといいます。
立春大吉と鎮防火燭の貼り分け
立春大吉は玄関、鎮防火燭は台所など火を扱う場所、という貼り分けが一般的です。ただし2枚まとめて玄関に貼る例も見られるので、迷ったときは授かった寺社の案内を優先させれば筋が通ります。
清明の日に用意する札という宗門の説明
宗門の説明では、鎮防火燭は清明(4月4日ごろ)に用意する札とされています。「僧堂清規」という記録には立春大吉札と並ぶ護符として残っていて、2枚セットで「立春符」と呼ばれることもあります。
立春大吉の由来|曹洞宗の禅寺の風習と鬼を騙す言い伝え
立春大吉はもともと曹洞宗など禅宗の寺院の風習で、現在は神社でも授与されています。神社の風習として一括りにすると、成り立ちを取り違えてしまいます。
曹洞宗の禅寺から広まった風習
曹洞宗島根県第二宗務所の解説によると、節分で厄を払い、立春に厄が戻ってこないようお札を貼るという慣習で、貼る場所は寺院の山門や玄関の両脇とされています。「僧堂清規」にも立春大吉札の記録が残っています。
左右対称の文字と鬼の話【伝承・諸説】
「立春大吉」の4文字は左右対称で、裏から見ても同じに読めます。
この対称の文字だからこそ生まれた発想で、由来をたどるほど面白みが増します。
次は、この風習が神社にも広がっていった経緯です。
つむぎ所長鬼が振り返って二度見するところを想像すると、なんだかちょっと憎めないですよね
神社でも授与されるようになった現在の姿
出雲大社相模分祠は立春大吉を「天地自然の正しい神気をいただき、万民に福をもたらす縁起物」と、神道の言葉で位置づけ直しています。お寺の風習だったものが、神社の授与品としても定着してきた実例です。
厄除けや合格祈願との違い
同社のQ&Aは「1年を通して福が集まりますようにという縁起物です。特定の願意がある場合は各種ご祈祷や御守をお受けください」と答えています。
厄除けや合格祈願そのものを願うお札ではなく、1年をならして福を呼び込むお札です。ここを混同したまま貼ると、期待する効果とのずれに戸惑うことになります。
まとめ
立春大吉は玄関の外側に貼るのが基本で、賃貸などで難しい場合は内側でも大丈夫です。貼るのは立春の日、取り替えて剥がすのは翌年の立春です。役目を終えたお札は、授かった寺社か近くの神社の古札納所に納めます。
もともとは曹洞宗など禅宗の寺院の風習で、今は神社でも授かれるようになりました。
作法に迷ったときは、まず授かった寺社の案内を確かめるのがいちばんの近道です。
出典一覧
| 情報 | 出典 |
|---|---|
| 貼る場所・高さ・向き・留め方・期間・返納・効果の位置づけ | 出雲大社相模分祠 公式サイト「立春大吉縁起」Q&A |
| 由来・鎮防火燭の意味 | 曹洞宗 島根県第二宗務所の解説 |
| 2027年の節分・立春・雨水の日時 | 国立天文台 暦計算室「令和9年(2027)暦要項」 |
| 七社神社の頒布情報(令和8年) | 七社神社「立春大吉札 頒布」告知 |
| 通販の木札 | 伊勢宮忠 商品ページ |



※特記のない情報は2026年9月13日に確認しました。
※この記事の頒布時期・初穂料等の実務情報は2026年9月13日確認時点のものです。授かる前に各社寺の公式サイトで最新の案内を見ておくと安心です。
