「神社で祈祷のときに神主さんが振る『白いふわふわしたものがついた棒』って何ですか?」
Yahoo!知恵袋に、実際にあった質問です。
「祈祷 白 ふわふわ」で検索しても出てこなかった、と書かれています。名前が分からないと、検索する言葉も出てきません。
お祓いの棒の正式名称は、大麻(おおぬさ)です。
- お祓いの棒の正式名称は大麻(おおぬさ)。大幣とも書く
- 白木の棒のものは祓串、榊の枝のものは榊大麻
- 神主は左・右・左と振り、罪や穢れを棒に移す
- 家では神棚に供え、お供えと自分を祓うのに使う
- 買うなら神社の授与所の家庭用。ネットなら1,200円
似た名前の見分け方、神主の振り方、家での使い方、買える場所と値段、紙垂(しで)の作り方まで答えます。
神社の公式サイトと、大学・事典の説明を突き合わせて調べました。
まずは、似た名前7つの表から。
お祓いの棒の正式名称と似た名前の一覧
お祓いの棒の正式名称は、大麻(おおぬさ)です。大幣とも書きます。
白木の棒に紙垂を付けたものは祓串(はらえぐし)、榊の枝に付けたものは榊大麻。神社に勤める方の記事は、こう呼び分けています。
調べると、似た名前が7つも出てきて驚きました。表で並べます。
| 呼び名 | 何を指すか | じゃあどう呼ぶ |
|---|---|---|
| 大麻(おおぬさ) | 神職が祓いで振る棒の総称 | 迷ったらこの名前で通じる |
| 大幣(おおぬさ) | 大麻と同じもの。字が違うだけ | 検索や本ではこの字も多い |
| 祓串(はらえぐし) | 白木の棒に紙垂を付けた形 | 神具店ではこの名前で探す |
| 榊大麻(さかきおおぬさ) | 榊の枝に紙垂を付けた形 | 枝が緑ならこれ |
| 御幣(ごへい) | 木や竹の棒に紙を付け、神霊の依るものや神前の飾りにするもの | 神前の飾りに立ててあるならこれ |
| 玉串(たまぐし) | 榊の枝に紙垂を付け、神前に捧げるもの | 自分が手渡されるのはこれ |
| 神宮大麻(じんぐうたいま) | 伊勢神宮のお神札 | 棒ではなくお札 |
呼び分けは資料で異なります。
Wikipediaには、榊の枝のものを大麻、木串のものを小麻(こぬさ)とする説明もあります。この表は、神社に勤める方の記事に沿った呼び方です。
大麻・大幣・祓串・榊大麻の違い
「大麻」はもともと「おおぬさ」と読みます。神社本庁の「神宮大麻」のページには、神々への捧げ物や、お祓いに使う木綿や麻を指す言葉、とあります。
大幣は同じものの別の書き方で、皇學館大学の展示では、御麻・祓麻とも言うとあります。
神社では、祭場・神饌・祭具・神職・参列者を祓い清めるのに用いられています。
「なぜ麻の字?」と思いますよね。「ぬさ」は、麻や木綿で作って神に奉る供え物のこと(日本大百科全書)。名前が材料そのままなんです。
形は、榊の枝か、六角や八角に面取りした白木の棒に、麻か紙の垂を付けたものです(『神道事典』)。
形は神社や神職によって違います。神社に勤める方が書いた作り方の記事にも、そう断りがあります。
つむぎ所長布を分けていただく、から始まったのは調べていて意外でした。振る道具である前に、まず授かるものだったんですね
御幣・玉串との違い
形が似ていて、いちばん混ざりやすいのが御幣と玉串です。見分ける決め手は、使い方の中心です。
- 大麻:人やお供えの上で振って祓う
- 御幣:神前に立てる(祓いに使う場合もある)
- 玉串:神前に捧げる
玉串は、榊の枝に紙垂を付け、神職や参拝者が神前に捧げるものです(『神道事典』)。参拝のとき手渡されるのはこちら。
御幣は、金銀や白、五色の紙を付けた祭祀用の棒です。木や竹でできています。
神霊の依るものや神前の飾りに用いられ、参拝者のお祓いにも用いられます(國學院大學の絵解きガイド)。
台座に立てて神棚に供える家庭用の祓い串は、授与所が「祓い串/大麻」の名で授けている、大麻の仲間です。
お祓いの棒の使い方と振り方
お祓いの棒は、神主が人やお供え物の上で左・右・左と振るのに使います。場面の一つが修祓(しゅばつ)。神前結婚式の式次第では、祝詞の前に行われます。
目的は、罪や穢れを棒に移すこと。
家では、神棚に供えて、お供えと自分を祓うのに使います。
神主の使い方
神社本庁が示す神前結婚式の式次第では、修祓が2番目、祝詞奏上は5番目です。
神主は、修祓の場で、大麻を振って清めます。清める相手は、祭場・神饌(お供え物)・祭具・神職・参列者。皇學館大学の展示にあります。
神社本庁の地鎮祭の案内には、祭場四方の敷地を大麻で祓う「四方祓の儀」があります。地鎮祭で見かける「あのバサッ」が、まさにこれ。
大麻のあとに、塩湯を榊の小枝で左・右・左と振りかける神社もあります。潮水を火で沸かして使います。
左・右・左の振り方
振り方は、左・右・左の3回です。
國學院大學の『神道基本用語集』の祓串の項には、木の棒に麻か紙の垂を付け、左・右・左に振る、とあります。
Wikipediaの「大麻」の項に、春日大社のように古くからの祭式を残す所では撫でるように行う、伊勢神宮も音を立てる祓い方はしない、とあります。

紙垂の白と音の意味
紙垂をバサバサ鳴らすのにも、白いのにも、神社の説明があります。
宮地嶽神社は「紙のバサバサ言う音を魔が嫌うのです」と書いています。穢れ(気枯れ)を祓って、新しい神様のお力を戴く、という流れです。
白については、鈴鹿明神社が「白は汚れやすい色ではありますが、『汚れを集めるように』という願いも込められております」と説明しています。
つむぎ所長汚れを隠す色ではなく、汚れを集める色。この逆転、読んでいて唸りました
家での使い方
家では、お祓いの棒を次の3つに使います。①神棚に供える。②お供えの前に、お供えを祓う。③自分を祓う。
大歳神社のWEB授与所の祓い串の案内に、「神棚に供え、自身の汚れを、お供え前にお供えを払う等家庭内祭祀にご利用ください」とあります。
振り方は、家でも左・右・左にそろえます。神社と同じ型にしておけば、迷わないからです。
お祓いの棒の各部と一緒に使う道具の名前
お祓いの棒は、白木の棒(または榊の枝)・白い紙の紙垂(しで)・麻の繊維の麻苧(あさお)・台座の4つでできています。
修祓では、お祓いの棒と一緒に塩湯(えんとう)も使います。
各部の名前と大きさ

大きさは、家庭用と神社で振るものの2つで覚えます。
- 家庭用:高さ30cm前後(授与所の祓い串は、高さ30cm・棒8mm角・台座7cm角)
- 神社で振るものの例:60〜90cm(神具店の祓串の板台は串60cm、神社に勤める方の記事の作例は棒が約90cm。神社の公式な寸法ではありません)
形は神社や神職で違います。
素材は、棒が白木か榊、垂が麻か紙です(『神道事典』)。
一緒に使う祓いの道具
修祓で大麻と並ぶ道具は、次の3つです。
| 道具 | 何をするか |
|---|---|
| 塩湯 | 潮水を火で沸かし、榊の小枝で左・右・左と振りかける |
| 玉串 | 榊の枝に紙垂を付け、参拝者が神前に捧げる |
| 榊 | 枝に紙垂を付けると、玉串や榊大麻になる |
お祓いの棒の購入先と値段
お祓いの棒は、神社の授与所や神具店の通販で買えます。家で使うなら、大歳神社のWEB授与所の祓い串(1,200円)を選びます。
授与所が、家庭内で使うよう案内しているからです。使い方は家での使い方にまとめました。
この授与所は「基本的にネット頒布は推奨しておりません」とし、来社が難しい人のための窓口です。近くなら、その神社の授与所で聞くのが本来の形。
ネットで頼むなら、ネコポスで一度に2点まで、発送は平日の週2〜3回と先に知っておきます。
| 買える所 | 値段(2026年10月時点の表示価格) |
|---|---|
| 大歳神社のWEB授与所(高さ30cm) | 1,200円+送料350円 |
| 楽天市場のイントワークス 家庭用の台つき(高さ31.5cm) | 10,550円 |
| 楽天市場の伊勢 宮忠 麻付幣(小40cm) | 9,630円 |
| 楽天市場の伊勢 宮忠 祓串(板台・串60cm) | 11,900円 |
神社で振る大きさの祓串を神具店で探すなら、「祓串」か「大麻」で検索します。
コスプレ用やおもちゃも混ざるので、神具店のページを選びます。
お祓いそのものを受けたい人は、厄払いの封筒はどれ?に初穂料と封筒をまとめています。
お祓いの棒の作り方
お祓いの棒は、白木の棒に半紙で折った紙垂と麻苧を結び、台座に立てれば作れます。紙垂は吉田流の折り方で折ります。
手順は3つです。
- 白木の棒を用意する
- 半紙で紙垂を折る
- 紙垂と麻苧を棒の先に結び、台座に立てる
吉田流にするのは、折り方の手順が載っていて、そのまま折れるからです。しめ縄の簡単な作り方に、半紙で折る手順があります。
お祓いの棒のよくある質問
調べていて多かった質問に、短く答えます。
神宮大麻(伊勢神宮のお札)とお祓いの棒は同じもの?
別のものです。神宮大麻はお神札で、お祓いの棒は振る祓具です。くわしくは似た名前の一覧へ。
「大麻」と書くのは薬物の大麻と関係ある?
字は同じでも、神社の「大麻」は「おおぬさ」と読みます。神々への捧げ物や、お祓いに使う木綿や麻を指す言葉です。くわしくは大麻・大幣・祓串・榊大麻の違いへ。
お祓いの棒は英語で何と言う?
英語の辞典では、大麻は ōnusa と書かれます。祓串は haraigushi です。くわしくは似た名前の一覧へ。
東方の霊夢が持っている棒は同じもの?
別のものです。ファンの解説では「御幣」とも「大幣(お祓い棒)」とも呼ばれる、ゲームの中の道具です。神社で同じ形を見たら、神主が振るなら大麻、神前に立てるなら御幣と呼べば通じます(くわしくは御幣・玉串との違い)。
お祓いの棒は神主でなくても使っていい?
家で、自分とお供えを祓うのに使えます。授与所がそう案内しています。くわしくは家での使い方へ。
紙垂は半紙で作れる?
作れます。半紙で、吉田流の折り方で折ります。くわしくはお祓いの棒の作り方へ。
お祓いの棒はどこで見かける?
神社のお祓い(修祓)で振られます。神前結婚式の式次第に祝詞の前の修祓があり、地鎮祭には大麻で祓う四方祓の儀があります。くわしくは神主の使い方へ。
お祓いの棒のまとめ
お祓いの棒の正式名称は、大麻(おおぬさ)です。
神主は左・右・左と振って穢れを移し、家では神棚に供えて使います。
- 名前を知りたい:大麻(白木なら祓串)
- 振り方:左・右・左の3回
- 家で使う:神棚に供え、お供えと自分を祓う
- 買う:授与所の家庭用。ネットなら1,200円
- 作る:紙垂は吉田流で折る
次に神社であの棒を見たら、心の中で「大麻」と呼んでみてください。





- 神社本庁「神宮大麻」
- 神社本庁「神前結婚式」
- 神社本庁「地鎮祭」
- 皇學館大学 研究開発推進センター「修祓」
- 國學院大學『神道事典』「Ōnusa」
- 國學院大學『神道事典』「Tamagushi」
- 國學院大學『神道基本用語集』「Haraigushi」
- 國學院大學 絵解きガイド「御幣」
- 宮地嶽神社「大麻(おおぬさ)」
- 鈴鹿明神社「大麻(おおぬさ)」
- 大歳神社 WEB授与所「祓い串/大麻」
- 日本大百科全書「大麻(神道)」
- デイリーポータルZ「お祓いに使う大麻(祓串)の作り方」
- 楽天市場 伊勢 宮忠「麻付幣 小」
- 楽天市場 伊勢 宮忠「祓串 板台」
- 楽天市場 イントワークス「家庭用 祓串」
- Wikipedia「大麻 (神道)」
- Yahoo!知恵袋「神社で祈祷のときに神主さんが振る…」
※この記事の情報は2026年10月3日時点のものです。
