「転職しようか、それとも来年まで待とうか。」
そう迷っているところに「今年、厄年だよ」と言われて、手が止まったことはありませんか。私も、まさにそこで固まりました。
厄年にやってはいけないことは、寺社の決まりとしてはひとつもありません。転職も、結婚も、家も、進めて大丈夫。変わるのは、決め方だけ。
この記事では、迷いやすい場面を1つずつ「じゃあどうすればいいか」まで言い切ります。あわせて、厄年にやると良いこと、男性25・42・61歳と女性19・33・37歳という年齢の一覧と数え方、厄払いと厄除けと厄落としの違いまで。
寺社の公式に書いてあることを突き合わせてまとめました。
読み終えるころには、止まっていた予定を自分で動かせる状態になっています。まずは、いちばん気になっているところから確かめていきましょう。
厄年にやってはいけないことは?
厄年にやってはいけないことは、寺社の決まりとしてはひとつもありません。新しい挑戦も、大きな決断も、散財も、不摂生も、全部進めてOKです。変えるのは決め方だけ。
よく言われることと、その理由と、じゃあどうするかを1枚にすると、こうなります。
| 言われていること | よく言われる答え | じゃあどうする |
|---|---|---|
| 転職・独立・引っ越し | 新しいことは失敗しやすい年 | 進めて大丈夫。同じ月に2つ重ねない |
| 結婚・離婚 | 大きな決断は運気を落とす | 進めてOK。決める前に一晩置く |
| 家の購入・リフォーム | 大きな買い物は厄を呼ぶ | そのまま進める。厄年でなく金額と返済で決める |
| 散財・借金・高額な買い物 | お金が出ていく年 | 使って問題なし。上限を先に決めてから |
| 不摂生(深酒・喫煙) | 体を壊しやすい年 | 今年のうちに健康診断を1回入れる |
| 目立つ行動・遠出・恋愛 | 静かにしていろ | そのままどうぞ。昇進も発表も旅行も控えなくて大丈夫 |
産泰神社は、神職みずからこう書いています。「新しい挑戦や大きな決断をしてはいけないというわけではありません」。
寺社の言葉のほうが、ネットの噂よりずっと前向き。私はそれを知って、拍子抜けするくらいほっとしました。
門戸厄神 松泰山東光寺は「避けられる方もいます」として、結婚や家の新築、新規事業、旅行を挙げています。禁止ではなく、そういう選び方をする人もいる、という紹介の形です。
気にする人は避ければよく、進めたい人はそのまま進める。そのくらいの温度で受け取ってください。
禁止リストを検索すると、たいてい最後に「気にしすぎないこと」「厄年のせいにしないこと」という一文が置いてあります。
リストが、リストの最後で自分にツッコミを入れているわけです。そして読んで不安になった人が、まず破っているのがこの一行。(読んでる時点で、もう気にしすぎです)
厄年に転職・結婚・家の購入を決めていい?
厄年の転職・結婚・家の購入は、進めて大丈夫です。止められている決まりはどこにもありません。
やることは2つ。同じ月に2つ重ねない。決める前に一晩置いて、翌朝もう一度考える。予定を1つずつ動かせば、たいていの不安は消えます。
厄年のお金と体のこと
厄年のお金と体のことは、使う額の上限を先に決めて、健康診断を1回入れておけば済みます。
散財も止められていません。ただ「衝動買いや借金は生活を圧迫する」という説明は、厄年と関係なく成り立つ話です。だから、上限を先に決めてから使う。線を引いておけば、そのうえで使うぶんには気がとがめません。
不摂生については、厄年に当たる年齢そのものが理由になります。この一年に、健康診断を1回はさんでおく。人気の病院ほど予約が数か月先まで埋まりがちなので、迷っている今日のうちに電話してしまうのが早道です。
体調に不安があるなら、厄除けより先に医者へどうぞ。
(お財布と体、両方が厄年に狙われている気がしてきますが、犯人は厄年ではなく年齢です。)
厄年に迷ったときの決め方
厄年に迷ったときの決め方は、この3つの手順で決まります。
- やるかどうかは、厄年で決めない。予定と体調と数字で決める
- 同じ月に2つ重ねない。一度に走らせない
- 決めたら、厄払いを受けてから動く。気持ちの区切りとして、これがよく効きます
3つ目は験担ぎではなく実務です。祈祷では、決めたことを一度言葉にして手を合わせることになります。迷いを断ち切る装置として、厄除けはよくできています。
「してはいけないこと」がネットで増えていくのは、厄年だけの現象ではありません。
土用の土いじりはいつまでダメ?2026年の間日カレンダーと、してしまった時の対処でも、似た増え方をしています。
厄年にやると良いことは?
厄年にやると良いことは、七社神社が公式に挙げる五つの準備です。今日動かせるのは、祈祷の予約・健診の予約・クローゼットを1段片づけることの3つです。
七社神社が挙げる五つの準備
東京都北区にある七社神社の「やっておきたい5つの準備」は、「厄年にやると良いこと」を神社の公式が正面から書いているページです。
挙げているのは五つ。
- 祈願を通じて心の指針を定めること
- 健康診断や人間ドックで体のメンテナンスをすること
- 生活環境を整え、不要な執着を手放すこと
- 自然の循環を感じてメンタルを養うこと
- 正しい知識で正しく恐れること
七社神社は、厄年だからといって何もかも控える必要はない、ともはっきり書いています。「何もするな」ではなく「これをしろ」と寺社が言っている。ちょっと意外じゃないですか?
長いものと七色のものは身につけたほうがいい?
長いものと七色のものは、身につけたいなら一つ選べば済みます。選ぶなら、七色の入った長いもの。
「長いものを身につけると運気が上向く」という言い伝え、聞いたことはありませんか。
七社神社の「七色」の由来によると、ネックレスやスカーフ、ベルトのような「長いもの」は、蛇や昆布、帯と同じく長寿・長命の縁起物とされてきたそうです。
七色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)も同じ文脈で語られます。七社神社は、この七色を「仏教の経典に登場する七宝(しちほう)に由来するとされています」と説明しています。
鱗(うろこ)模様や籠目(かごめ)、麻の葉、青海波といった魔除け文様も、七社神社が紹介しているもの。鱗は蛇の脱皮になぞらえた生まれ変わりの象徴、籠目は六芒星の形に全方位のバリアを見立てたものとされています。
一つ選ぶなら、七色の入った長いもの。ストラップでもベルトでも、これ1本で「長いもの」と「七色」の両方を満たせます。全色そろえる必要はありません。
厄落としとして昔から行われてきたこと
厄落としとして昔から行われてきたことは、身につけた物をわざと道に落とす、年祝いの宴を開く、茅の輪をくぐるの3つです。
百科事典マイペディアは、厄落としとして、身につけた物をわざと道に落とす習俗を紹介しています。ほかにも、年祝いの宴、社寺参り、茅の輪くぐりといった習俗が事典に載っています。
日本大百科全書は、鱗模様の衣類が脱皮、つまり再生を意味する習俗だと説明しています。
手を動かしたい人は、ここから選べます。誕生日に人を呼んでご馳走する。夏に茅の輪をくぐる。どれも昔から厄落としとして行われてきたことです。
2026年は丙午(ひのえうま)で、七社神社は60年に一度の「火」の年だと説明しています。守りの色は明るいブルーと明るいグリーン、攻めの色は赤。落ち着いて過ごしたいなら青か緑、動く年にするなら赤という選び方ができます。
厄年は何歳?男女別の年齢一覧と数え方
厄年は数え年で男性25・42・61歳、女性19・33・37歳です。寺社によって少し違うので、行く寺社の公式ページの年齢が自分の正解になります。

神社本庁が示しているのは、この年齢です(いずれも数え年)。
| 本厄の年齢 | 大厄 | |
|---|---|---|
| 男性 | 25歳・42歳・61歳 | 42歳 |
| 女性 | 19歳・33歳・37歳・61歳 | 33歳 |
あわせて「地域によって多少異なるところもあります」とも書かれています。筥崎宮も男性25・42・61歳、女性19・33・37歳とほぼ同じ並びですが、女性の61歳は載せていません。
神社本庁は全国の神社を束ねる組織ですが、すべての神社がここに属しているわけではありません。
単立の神社がある理由は神社本庁に属さない神社一覧にまとめてあります。
寺社によって厄年の年齢が違う理由
寺社によって厄年の年齢が違う理由は、数え方と地域差の積み重ねです。
産泰神社は、この年齢に4歳を加えて、男性4・25・42・61歳、女性4・19・33・37・61歳としています。早生まれかどうかは関係ない、とも説明しています。
川崎大師は、他の多くの寺社と違って「その年の満年令」で数えると明記しています。
男性25・42歳、女性19・33歳、男女とも60歳を本厄とします。数え方が違うので、対象になる生まれ年が1年ずれます。
数え年のほうで「自分は今年じゃない」と思っていても、川崎大師のものさしでは本厄に当たっている、なんてことが起こるわけです。「厄年にあたらない方でも厄除けの祈祷をお受けになれます」とも書かれています。
柏原八幡宮と川崎大師は、男女とも61歳(または満60歳)を本厄としています。
ここは還暦と重なる年齢。祝う年と、慎む年が同じ年に来ます。還暦の赤いものは、そのまま厄除けの色にもなります。
どれも間違いではありません。行く予定の寺社の公式ページに載っている年齢を見てください。それが自分にとっての正解です。
数え年の数え方と早生まれ
数え年でつまずいたら、この4つを思い出してください。
| 問い | 寺社の公式の答え |
|---|---|
| 今年の数え年は何歳か | 生まれた年を1歳とし、元日ごとに1歳加える |
| 早生まれはどうなるか | 早生まれかどうかは関係ない(産泰神社) |
| 歳が変わるのは元日か立春か | 神明宮は「立春や節分ではない」と明記 |
| 満年齢を使う寺社はあるか | 川崎大師はその年の満年令で数える |
神明宮のFAQによると、数え年は生まれたときを1歳とし、元日ごとに1歳を加えます。小野照崎神社の公式noteも、数え年は「今年迎える年齢+1歳」だと説明しています。
神明宮は、歳が変わるのは立春や節分ではないと明記していて、「厄年やそれに伴う厄除けには数え年を使い、満年齢を使うことはありません」とも書いています。
暦の区切りとして立春を重んじる考え方も、寺社の周辺にはあります。土用のスピリチュアルな意味と過ごし方でも、暦の区切りと過ごし方の関係を扱っています。
前厄・本厄・後厄はどれが重い?
前厄・本厄・後厄に、重い軽いの順位はありません。筥崎宮は、前厄・本厄・後厄をあわせて3年間として扱っています。3年をひとまとまりとする書き方で、どれが重いという序列は置いていません。
だから、3年のどこかで1回、厄払いを受けておけば済みます。3年続けて受ける決まりはありません。
大厄は、男性42歳・女性33歳という、もっとも忌み慎むとされる年齢です。筥崎宮の「小厄」は、それとは別に設けられた区分で、寺社によって扱いの厚みが違います。
厄年には何が起こる?
厄年に起こるのは、体と立場の変わり目です。災いが降ってくる年ではありません。
25歳、42歳、61歳。19歳、33歳、37歳。並べてみると、進学や就職、昇進、出産、退職といった節目に、きれいに重なります。私はこの並びを見て、厄年って要は「忙しい年の一覧」なんだな、と思いました。
体力は変わり、任される役割も変わる。そのズレが起きる年齢に名前をつけて、先に注意を促す。それが厄年という仕組みでした。
「病気やけが、事故などの災難に見舞われることが多い」という言い方もあります。
ただ、それを紹介している村松山虚空蔵尊の公式は、同じページで、そこまで恐れなくても大丈夫という趣旨をはっきり書いています。紹介している寺自身が、そう言っているわけです。
日本大百科全書によると、厄年の実践のしかたには南西諸島や東北、宮古島などで地域差があるそうです。全国一律の決まりではない、ということも一緒に押さえておきたいところです。
厄年は家族にも影響する?
厄年が家族にも影響する、という決まりはありません。厄年は、本人の年齢だけで決まります。寺社が出しているのは本人の年齢表だけで、家族の分を数える欄はどこにもありません。
家族のことが気になるなら、そろって厄払いを受けに行くのが早いです。多くの寺社が家族単位の祈祷を受け付けていて、厄年でない人も一緒に受けられます。
八方塞がりと厄年は同じもの?
八方塞がりと厄年は、別のものです。厄年は寺社の習俗、八方塞がりは九星気学。体系がそもそも違います。
七社神社「厄年と八方塞がりの違い」は、厄年は年齢で男女別、八方塞がりは方位で男女共通の9年周期、と整理しています。2026年(令和8年)は一白水星が八方塞がりにあたるとのことです。
厄除けと方除けは、同じ日に両方受けられます。両方に当たっている年でも、お参りは1回で済むということです。七社神社は「絶対にやってはいけないことは特にありませんが、人生を大きく変える決断は慎重に」とも書いています。
七社神社は、「お祓いを受けたから悪いことが起きない、受けなかったから何かが起きるというものではありません。気持ちの問題」とも説明しています。気持ちを整えるために受ける。それがいちばん近い受け止め方だと思います。
厄年の厄払いはいつどこで受ける?厄除け・厄落としとの違い
厄年の厄払いは、神社なら厄払い、寺なら厄除けです。近いほうで、思い立った日に受けてかまいません。初穂料は7,000円が目安です。
| 語 | どこで何をすることか |
|---|---|
| 厄払い | 神社で受けるお祓い |
| 厄除け | 寺で受け、清めた体に厄を寄せ付けないようにする祈祷 |
| 厄落とし | 身につけた物を道に落とすなどの習俗 |
羽田神社のFAQによると、厄払いは神社で受けるお祓い、厄除けは寺で受け、清めた体に厄を寄せ付けないようにするものです。
厄落としは、百科事典が紹介する習俗の名前で、身につけた物を道に落とすことなどを指します。厄払い・厄除けが祈祷を指すのに対して、厄落としは行為そのものの名前という違いです。
厄払いはいつまでに受ければいい?
厄払いを受ける時期に、決まりはありません。神社本庁は、厄祓いの時期について「決まりがあるわけではありません」と説明しています。七社神社の別ページも、「時期を過ぎても効果が無くなるわけではない」としています。
参拝の受付時間については神社の参拝時間は何時まで?夜・夕方がダメな理由と行ってはいけない日の真実にまとめてあります。
神社と寺のどちらで受けてもいい?
神社と寺、どちらで受けても大丈夫です。呼び方はシンプルで、神社なら厄払い、寺なら厄除け。近いほうを選んでください。
参拝の作法は、神社と寺で少し違います。お寺の参拝の仕方は合掌一礼、山門から本堂までの手順と神社との違いにまとめてあります。
初穂料の目安
社名とセットで、公表されている額を挙げておきます。産泰神社は7,000円〜、筥崎宮は7,000円と15,000円〜。
7,000円を1つの目安に、行く寺社の公式ページで確かめてから包むのが確実です。金額は寺社ごとに幅があります。
服装と授かったお札の置き場所
服装は、神社本庁によると目上の人に会うのに失礼でない装いが基本。襟のあるものを着て、素足を出さない。それだけです。
祈祷を受けて授かったお札は、まず置き場所に迷うと思います。神棚がない家のお札の飾り方は? 神社本庁が示す置き場所の3つの条件に置き場所をまとめました。
一年後の返し方は、お札の返納の時期と返し先の早見表と郵送・包み方・初穂料の目安で確認できます。
厄年にやってはいけないことを気にしている人への答え
厄年にやってはいけないことが気になっている人は、下の行から自分のケースを探してください。それで決まります。
- 転職・結婚・家を決めかけている → 進めて大丈夫。同じ月に2つ重ねない・決める前に一晩置く
- もう決めてしまった → 取り消さなくてかまいません。決めたことを厄払いで一度言葉にする
- お金 → 使う上限を先に決める
- 体 → 今年のうちに健康診断を1回
- やると良いこと → 祈祷の予約・健診の予約・片づけ。1時間かかりません
- 年齢 → 行く寺社の公式ページの表
- 厄払い → 3年のうち1回。神社でも寺でも近いほう
厄年はもともと、役目を任される晴れの年「役年」だったと、複数の寺社が説明しています。
神社本庁は、地域社会の中で役目を担う「宮座」への加入にあたり、心身を清浄に保ち言動を慎む「物忌」の期間が必要だったと説明しています。
門戸厄神 松泰山東光寺も、「厄」は「役」に通じるという言葉を使っています。
慎むのは、悪いことを避けるためではなく、大事な役目を控えているから。厄年に当たった年は、貧乏くじを引いた年ではなく、任された年です。
つむぎ所長『厄年』の字面はいかついですが、中身は『役目、頼まれました』ってだけの話でした。任された側の顔で過ごすほうが、たぶん一年は気分がいいです





※この記事の情報は2026年9月12日時点のものです。
