初詣で行った「◯◯神宮」と、近所の「◯◯神社」。名前が違うだけ? それとも、神宮のほうが格上なの?
気になりますよね。答えは、神宮と神社の違いは、名前の最後に付く社号の違い。神宮と大社に格上・格下はなく、国が決めた神社の順位も今はありません。
- 違いは社号(名前の最後の部分)。神宮は皇室と特にゆかりの深い神社だけの名前
- 神宮も大社も八幡宮も、全部「神社」の仲間
- 神宮と大社に格上・格下はない。国が決めた順位は今は無く、社号は由緒を表す名前
- 八幡宮・天満宮・稲荷は祀る神様の名前。お参り先は神様と願いで選ぶ
- 参拝は神宮でも神社でも二拝二拍手一拝。出雲の大社と宇佐の神宮は四拍手
大社や宮との違い、どっちが格上か、八幡宮・天満宮の意味、神宮の数。御朱印・お札・お寺との違いまで、答えを並べました。
神社の団体や各神社の公式サイトを突き合わせて書いています。
読み終えるころには、神社の名前を見ただけで「何の神様を祀る社か」が言えます。お参り先も、社号ではなく神様で選べます。
神宮と神社の違いと社号の早見
神宮と神社の違いは、名前の最後に付く「社号」の違いです。
神宮は、天皇や皇室の祖先を祀るなど、皇室と特にゆかりの深い神社だけが名乗る名前。神社は、いちばん一般的な名前。神宮も、神社の一つです。
| 社号 | どんな神社に付くか | 見かけたらこう読む |
|---|---|---|
| 神宮 | 天皇や皇室の祖先を祀るなど、皇室と特にゆかりの深い神社 | 皇室ゆかりの社と読み、由緒書きで祭神を確かめる |
| 宮 | 天皇や皇族を祀る神社、由緒で古くから「宮」と呼ばれてきた神社 | 祭神か由緒に、皇族や古い呼び名の理由がある |
| 大社 | もとは1社だけの社号。今は広く崇敬を集める神社にも | 長く広く信仰されてきた社と読む |
| 神社・社 | 一般の神社の社号 | いちばんふつうの名前。近所の神社はたいていこれ |
| 大神宮 | 東京大神宮のように、名前に「大神宮」が付く神社。「神宮」の社号とは別の名称 | 神宮25社の一覧には入らない、別の名前の神社と読む |
神宮という社号の意味
はい、神宮は神社の一つです。神社本庁は、神宮・宮・大社・神社などを、神社名に付く称号として「社号」でまとめて説明しています。
神宮の社号が付くのは「皇室と特にゆかりの深い神社に限られています」。平安神宮・霧島神宮が例です。
単独の「神宮」は、伊勢の神宮の正式名称です。伊勢の神宮の公式サイトによると、内宮・外宮を中心にした125の宮社の総称でもあります。
宮という社号の意味
宮は、天皇や皇族を祀る神社や、由緒によって古くから「宮」と呼ばれてきた神社に付く名前です。
たとえば日光東照宮は、徳川家康公を祀る神社です。もとは東照社で、正保2年(1645)に宮号を賜って、東照宮になりました。
宮は、由緒で付いた名前の代表。
大社という社号の意味
大社は、もともと大国主命を祀る出雲の社を指す社号でした。今は、広く崇敬を集める神社にも使われています。
戦前の大社の話は、次の章の戦前の大社にまとめました。
神社・社という社号の意味
神社は、一般の神社に広く使われる社号で、「社」はその略称です。
近所の氏神さまの名前、思い浮かべてみてください。最後の2文字は、たいてい「神社」のはず。
大明神・権現という呼び方
大明神や権現は、社号とは別の呼び方です。社号に類するものとして使われてきました。
社号の案内でも、社号とは別の呼び方です。神社ごとに社号は違っても、人々の篤い信仰に変わりはない、という整理です。
神宮と大社はどっちが格上?
神宮と大社に、格上・格下はありません。国が決めた神社の順位は今はなく、社号は、どんな由緒の神社かを表す名前です。
「神宮が上」「大社は別格」。たしかに、よく聞く話です。
でも、明治神宮のQ&Aは、「これら呼称の違いは神社の格の上下を律するというより、由緒に定められているもの」と書いています。
つむぎ所長神社の側が『格の上下を律するというより』と自分で書いているのを読んで、私はちょっと驚きました。
先の社号の案内にも「それぞれの神社に対する人々の篤い信仰にはいささかの変わりもありません」とあります。
名乗る条件が厳しい神宮
神宮が格上に見えるのは、名乗れる神社が少ないからです。終戦までは、新たに神宮を名乗るには勅許(天皇の許し)が必要だったとされています。
戦後に神宮を名乗った例は、北海道神宮(1964年)・伊弉諾神宮(1954年)・英彦山神宮(1975年)の3社です。
いずれも特別な承認を受けたとされています。別の流れで、新日吉神宮も1959年に天皇を増祀して神宮に改称しました。
「条件が厳しい」は「数が少ない」ということ。格上という意味ではありません。
戦前は出雲大社だけだった大社
大社が特別に見えるのは、戦前は出雲大社(いづもおおやしろ)だけが「大社」を称していたからです。
同じQ&Aには、かつての官国幣社制度ではその1社だけだったとあります。戦後は、住吉大社や春日大社など、多くの神社が使うようになりました。
名乗る神社が増えた。つまり大社は、順位というより、由緒を表す名前です。
伊勢神宮と出雲大社はどちらが格上?
この2社は、社号の物差しでは比べられません。
神社本庁は、伊勢の神宮を「本宗と仰ぐ特別な神社」と案内しています。出雲の大社は、「大社」という社号の元になった神社です。
どちらも立ち位置の違う神社。どちらかが下、ではありません。
戦前の社格というランク
国が決めた神社の順位は、今はありません。
戦前は、国が神社を等級に分ける社格制度がありました。Wikipediaによると、1946年(昭和21年)2月2日に廃止されたとされています。
階級の中身と一覧は、こちらの記事にまとめています。

神宮と八幡宮・天満宮・稲荷の違い
神宮が「どんな由緒の社か」を表す名前なのに対し、八幡宮・天満宮・稲荷は「どの神様を祀るか」を表す名前です。
神社の名前は、「土地+祀る神様+社号」に分けて読めば、何の神様の社かが分かります。
たとえば、こんなふうに分かれます。

系統ごとの祀る神様と総本宮は、この表のとおりです。
| 名前の系統 | 祀る神様と、まとめ役の神社 |
|---|---|
| 八幡宮 | 八幡さま 総本宮は宇佐神宮 |
| 天満宮 | 菅原道真公 総本宮は太宰府天満宮、総本社は北野天満宮 |
| 稲荷神社 | 稲荷大神 総本宮は伏見稲荷大社 |
| 東照宮 | 徳川家康公 日光東照宮 |
八幡宮の祭神と総本宮
八幡宮は八幡さまを祀る神社で、総本宮は宇佐神宮です。
宇佐神宮の公式サイトには、全国の神社のなかで八幡さまが最も多く、4万社あまりとあります。御祭神の八幡大神は、応神天皇のご神霊です。
この総本宮の「神宮」は社号、「八幡」は祀る神様の系統。別々の軸です。
天満宮の祭神と総本社
天満宮の御祭神は、菅原道真公です。
太宰府天満宮は、自らを「全国天満宮の総本宮」と紹介しています。北野天満宮は、全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社と紹介しています。
2社とも、公式サイトで名乗っています。どちらが上ではなく、どちらも菅原道真公を祀る代表の社です。
稲荷神社と東照宮の祭神
稲荷神社は稲荷大神を祀り、総本宮は伏見稲荷大社です。公式サイトには、全国に30,000社あるといわれる、とあります。
東照宮は、徳川家康公を祀る神社です。日光東照宮の公式サイトも、御祭神を家康公と案内しています。
伏見稲荷は「大社」、宇佐は「神宮」。系統の名前と社号は、別々に付いています。
神宮の数と大社24社の一覧
神宮を名乗る神社は、Wikipediaの一覧で数えて25社ほどです。数え方によって、24社とも紹介されます。
大社は、Wikipediaの一覧で例として挙がる24社を載せます。どちらも、全国で数えるほどしかありません。
神宮25社ほどの一覧
神宮は、25社のうち近畿が12社(三重県は近畿に含めた数え方)、九州が6社と、西日本に多い名前です。名前の最後は、どれも「神宮」です。
| 地方 | 「◯◯神宮」の◯◯ |
|---|---|
| 北海道 | 北海道 |
| 関東 | 明治(東京)、鹿島(茨城)、香取(千葉) |
| 中部 | 熱田(愛知)、氣比(福井) |
| 近畿 | 伊勢(三重)、橿原・石上・吉野(奈良)、近江(滋賀)、白峯・平安・新日吉(京都)、水無瀬(大阪)、伊弉諾(兵庫)、日前・國懸(和歌山) |
| 中国 | 赤間(山口) |
| 九州 | 英彦山(福岡)、宇佐(大分)、宮崎・鵜戸(宮崎)、霧島・鹿児島(鹿児島) |
大社24社の一覧
一覧の24社では、近畿が15社、中部が5社(三重県は近畿に含めた数え方)と、西日本が中心です。
| 地方 | 「◯◯大社」の◯◯ |
|---|---|
| 中部 | 三嶋・富士山本宮浅間(静岡)、諏訪(長野)、気多(石川)、南宮(岐阜) |
| 近畿 | 多度(三重)、多賀・建部・日吉(滋賀)、春日・龍田・廣瀬(奈良)、伏見稲荷・松尾・梅宮(京都)、住吉・大鳥(大阪)、熊野本宮・熊野速玉・熊野那智(和歌山) |
| 中国 | 出雲・熊野(島根) |
| 九州 | 宗像・高良(福岡) |
梅宮大社と熊野那智大社の戦前の社格は、官幣中社だったとされています。大社を名乗ることと、旧社格の高さは、そろっていません。
日本の三大神宮はどこ?
日本の三大神宮として挙がるのは、伊勢神宮・鹿島神宮・香取神宮の3社です。
平安時代の『延喜式神名帳』で「神宮」と書かれたのが、この3社です。「三大神宮」に公式な定義はなく、文献に残る表記から決めた組み合わせです。
神宮と神社で参拝・御朱印・お札は変わる?
神宮と神社で、参拝の作法・御朱印・お札の扱いは、社号ではなく神社ごとの決まりで変わります。
参拝は二拝二拍手一拝が基本です。違いが出るのは、神社ごとに受け継がれた作法です。
参拝の作法と四拍手の神社
神宮でも神社でも、参拝は二拝二拍手一拝が基本です。参拝方法の案内には、その神社に独自の作法があれば、それに従うとあります。
出雲の大社は、拝殿も摂末社も「二拝四拍手一拝」です(公式サイト)。宇佐の神宮も「二礼・四拍手・一礼」です(宇佐八幡の公式サイト)。
社号が「大社」と「神宮」で違う2社が、同じ四拍手。作法は、社号ではなく神社ごとに決まっています。
伊勢神宮の御朱印
御朱印は、印と日付だけです。
公式サイトでは「参拝証印」とも呼ばれ、古くからの習わしで、印と日付のみが記されます。
- 授与場所は内宮・外宮の神楽殿
- 別宮5か所(月読宮・瀧原宮・伊雑宮・倭姫宮・月夜見宮)
- 神楽殿は6時〜18時(10〜12月は17時まで)
時間は内宮・外宮の神楽殿のものです。お正月中は変わります。別宮へ行くときは、先に公式ページで時間を見ておくと安心です。
いただくときの言い方は、こちらの記事にまとめています。

神宮大麻と神社のお札の並べ方
神宮大麻は、伊勢の神宮のお神札です。
神棚が三社造りなら、中央に神宮大麻、向かって右に氏神さま、左にその他の崇敬神社を並べます(祀り方の案内)。
| 神棚の形 | お札の並べ方 |
|---|---|
| 三社造り(横並べ) | 中央に神宮大麻、右に氏神さま、左に崇敬神社 |
| 一社造り(重ねる) | 手前から、神宮大麻、氏神さま、崇敬神社 |
神宮・神社とお寺の違い
神宮も神社も神道の神様を祀る社で、お寺は仏様を祀る仏教の寺院です。
伊勢の神宮は、「神宮」という名前でも神社の一つです。お寺ではありません。
お寺では拍手を打たず、合掌して一礼します。
お寺での手順は、こちらの記事にまとめています。

神宮と神社の違いのよくある質問
神宮と神社の違いで、よく聞かれる質問に答えます。
神宮は神社ですか?
はい、神宮は神社の社号の一つです。神宮・宮・大社・神社は、同じ「社号」として並べて説明されています。くわしくは神宮という社号の意味へ。
日本で1番すごい神社はどこですか?
神社本庁が「本宗と仰ぐ特別な神社」と案内している、伊勢の神宮です。社号の上下とは別の話です。くわしくはどちらが格上かへ。
大社なら願いが叶いやすいですか?
社号は由緒の違いで、選ぶ基準は願いに合う神様です。学業なら、学問の神様の菅原道真公を祀る天満宮です。くわしくは八幡宮・天満宮・稲荷の違いへ。
神社と大神宮の違いは何ですか?
「大神宮」は「神宮」の社号とは別の名称で、東京大神宮のように全国各地にあり、神宮25社の一覧には入っていません。どれも神社の一つです。くわしくは社号の早見へ。
香取神宮はなぜ神宮なのですか?
平安時代の『延喜式神名帳』で「神宮」と書かれた3社の一つです。伊勢・鹿島とならぶ古い神宮で、「三大神宮」としても挙がります。くわしくは日本の三大神宮はどこかへ。
神宮と神社は英語でどう書きますか?
英語版の公式サイトでは、伊勢の神宮は「Jingu」、神社は「jinja」と書かれ、説明では「shrine」も添えられています。「Grand Shrine」ではなく社名のローマ字が基本で、明治神宮も「Meiji Jingu」です。くわしくは社号の早見へ。
神宮と神社の違いのまとめ
神宮と神社の違いは、社号=名前の違いです。神宮と大社に格上・格下はなく、由緒の違いです。
- 神宮か神社か迷う → 祀る神様と願いで選ぶ
- 大社と神宮の差 → 格上・格下はなく、由緒の違い
- 八幡宮・天満宮 → 八幡さま・菅原道真公の社
- 伊勢の御朱印 → 印と日付だけ
- 神棚のお札 → 中央は神宮大麻
次の参拝では、鳥居のそばの社号標と、由緒書きの祭神を見てください。





※この記事の情報は2026年10月4日時点のものです。
